地域によって住宅の構造は変わる?日本の地域別、住宅の違いをご紹介します!

日本には、四季というものがありますが、住んでいる地域によって同じ季節でも気候条件はかなり変わってしまいます。例えば、北海道や東北地方の冬場は、毎年大量の雪が降り積もることになりますが、同じ日本でも沖縄などであれば雪が降り積もることなどありません。

それでは、同じ国内でも気候条件が大きく変わる地域では、住宅の構造に何か違いがあるのでしょうか?日常生活の中では、同じ地域で過ごすことになるため、自分が住んでいる場所と遠く離れた場所の住宅の構造など考えたことすらないという方が多いかもしれませんね。実は、「国土が狭い国」と言われる日本ですが、住む地域によって注意しなければならないことがかなり違ってしまうため、それぞれの地域で家の構造がかなり違ってくるのです。

今後、転勤などで遠く離れた場所に引っ越しする可能性が無いとも言えませんので、日本国内における地域別の住宅の構造はおさえておきたいものです。そこで、この記事では、いくつかの地域に分けて、その地域の住宅の特徴をご紹介します。

地域別!住宅の違い

普段の生活をしているだけであれば、あまり感じることはありませんが、日本列島は縦長になっていますので住んでいる地域によって同じ季節でも気候条件はかなり変わってしまうのです。そのため、各地域では古くからその地域に合った家を造るための工夫が凝らされており、さまざまな技術が進化した現在でも、住宅の構造にかなりの違いがある場合も珍しくないのです。

ここでは、日本列島をいくつかの地域に分けて、それぞれの家の特徴を簡単にご紹介していきます。

北海道・東北地方の住宅の特徴

まずは、北海道・東北地方の住宅からです。この地域は、冬場は極端に気温が下がり、大量の雪が降り積もる地域として有名です。こういった豪雪地帯の住宅というものは、『高気密高断熱』ということに重点が置かれているのが特徴です。また、住宅の2階部分まで雪が降り積もることも珍しくないなど、むとうの家のある関西地方では想像もできないほどの雪が積もる地域です。そのため、屋根が平らな形状をした『陸屋根』を導入してしまうと、屋根に大量の雪が積もることになり、その重みで建物が倒壊してしまうリスクが高くなってしまうことから、平らな屋根形状は取り入れられません。雪の少ない地域では、洋風のスタイリッシュな外観デザインが実現すると人気な陸屋根ですが、北海道・東北地方ではリスクが非常に高くなってしまうのです。

他には、大量の雪が降り積もった際でも、家への出入りができるように、1階部分を地上よりも高くしておくのも特徴的です。テレビなどに登場する東北地方の家などは、玄関が二重になっているのをよく見かけると思うのですが、これは玄関の扉の開閉で冷気が宅内に入ってこなくするための対策です。さらに、豪雪による停電のことを考えて暖炉を備えている住宅が多いのも特徴的です。
この地域は、大量に降り積もる雪の重みに耐えることや、『高気密高断熱』で外気温の影響を受けにくくする住宅の構造が特徴です。

東京都の住宅の特徴

次は、日本の首都である東京都です。近年では、東京一極集中などと言った言葉も作られるなど、東京の人口増加が社会問題ともなっています。国内最大の都会となりますので、特徴的な家の構造などないと考えている方もいますが、他の地域にはない特徴が出てきているのです。

東京は、日本の中心でもありますので、皆さんもご存知のように非常に物価が高い地域となっており、土地の価格もかなり高くなるのです。そのため、戸建て住宅を購入する場合でも、他の地域と比較すると小さい住宅が多いというのが特徴です。また、土地が少なくなっていることから、戸建て住宅に住むのではなく、マンションに住む人が増えているのも東京都ならではの特徴と言えるでしょう。
東京都の戸建て住宅の特徴としては、防音性の高い住宅が好まれるようになっているということです。というのも、狭い土地に家を建てることになりますので、隣家との距離が非常に近くなってしまい、日常生活上の生活音などが騒音トラブルの原因となってしまうなど、常に騒音に悩まされる可能性があるというのが原因です。また、狭いスペースを有効活用するために、戸建て住宅は3階建てにする方が増えていると言われています。
東京都の住宅は、狭いスペースをいかに有効活用できるか…という点にノウハウが凝縮されています。

東海・近畿の住宅の特徴

次は、むとうの家のある近畿地方や東海地方の住宅の特徴です。この地域は、日本列島の真ん中に位置しますので、そこまで特徴的な構造はないと考えている方が多いかもしれませんね。しかし、四季のある日本列島の中心ですから、夏場は気温が高くなり冬場もそこそこ寒くなるなど、寒暖差が大きいという地域的な特徴があるのです。

寒暖差のあるこの地域の住宅は、冬の寒さよりも夏の暑さに照準を当てて住宅を造る傾向があります。というのも、北海道などのように、寒さに照準を当てて高気密高断熱の住宅にしてしまうと、夏の暑さを乗り切るのが大変になってしまうからです。
そのため、夏場の暑い日でも過ごしやすい環境を作るため、風通しの良い住宅が好まれます。例えば、風を取り込みやすいように窓を大きくしたり、ファンなどを設置したりする等、外気を取り込みやすくする工夫が凝らされています。
その他には、水害が比較的多い地域もあり、そういった地域では基礎工事を徹底的に行うという対策がとられます。なお、その他は、比較的特徴が少ない地域のため、外観デザインなどにこだわった個性的な家が多いのも特徴です。

四国地方の住宅の特徴

四国地方は、日本国内でも温暖な気候条件で、自然災害による被害も少ない地方と言わています。この地域は。夏場はからっとした暑さで、冬場でもそこまで寒くはならなく、比較的過ごしやすい地域と言われています。

上記のような気候的な特徴から、構造的に特別な照準が当てられることはあまりありません。したがって、木造、鉄筋、コンクリートなど、さまざまな作りの家を自分の希望に合わせて建てることができます。しいて言えば、さまざまな作りの住宅が多いというのが地域的な特徴かもしれませんね。

九州地方の住宅の特徴

九州地方も、四国地方同様に、温暖な気候であるため、さまざまなタイプの住宅が入り混じっているのが特徴と言えます。ただし、鹿児島の桜島を始め、九州地方には火山が多いという特徴があるため、こういった地域では万が一の噴火に備えて、噴石・噴煙用の住宅設備が整えられた住宅が多くなります。

なお、九州地方は、シロアリが発生しやすい地域と言われているため、現在では木造よりも鉄筋コンクリートの住宅が好まれる傾向にあると言われています。

沖縄地方の住宅の特徴

沖縄地方は、日本国内でも独特な文化を継承してきた地域でもありますし、気候条件もかなり違うことから、特徴的な構造の住宅が作られています。皆さんもご存知かと思いますが、沖縄は台風の上陸が非常に多い地域ですので、台風による暴風雨にも耐えられるような住宅が求められるのです。そのため、沖縄の住宅づくりでは平屋建てが好まれる傾向にあり、暴風対策としてコンクリートで建てる、網入りガラスや厚みのあるガラスを窓に採用するなどの対策が考えられています。

また、1年中温暖な気候のため、気密性などよりも暑さ対策として風通しの良さを考えて設計されているのも大きな特徴と言えます。他には、住宅を囲む塀には石垣が取り入れられることや、ご近所づきあいを重視する沖縄らしく、大勢の人が集まれる部屋を作ったり、ゲストルームがある住宅が多いのも特徴的です。
沖縄地方は、日本国内でも他の地域とかなり気候条件が変わるため、住宅の構造も全く違うと考えても良いでしょうね。

まとめ

今回は、日本国内において、住んでいる地域が変われば、住宅の特徴がどのように変わってしまうのか?ということについて解説してきました。基本的に、自分の住んでいる地域以外については、詳しい気候条件などが分からないため、住宅の構造から変わってしまうということを知らなかった人が多いのではないでしょうか?

日本列島というものは、縦長になっていますので、北海道と沖縄の気候条件は、同じ国内とは思えないほど違ってくるのです。当然、気候条件が変われば、住宅づくりの照準も違ってきますので、この記事でご紹介したように、地域によってそれぞれの家の特徴が変わってくるのです。

今回は、大まかに地域を分けてご紹介しましたが、もう少し細かく分ければ、もっと家の特徴も変わってくることでしょう。こういった事を調べてみることは、自分の家を建てる時にも非常に役立つ情報になると思いますので、時間がある時にでもぜひ調べてみましょう!