家の購入を検討した場合、『新築住宅』と『中古住宅』ならどっちが良い?

今回は、家の購入を検討している方に向けて、『新築住宅』と『中古住宅』どちらを購入したら良いのか…という悩みを解決するため、それぞれのメリット・デメリットをご紹介していきたいと思います。

日本国内では、住宅を購入する際には新築住宅の人気が非常に根強いのですが、最近では中古住宅を購入しリノベーションするという方も増えています。そもそも日本国内では『新築神話』などと言う言葉が作られるほど、住宅流通数の中で新築住宅が多数を占める状況が昔から続いており、中古住宅に関してはネガティブなイメージを持っている方も少なくありません。

しかし、近年では少子高齢化などにより『空き家問題』が深刻化していることから、中古住宅のリフォームやリノベーションに対して国が補助金を出すなどの対策が行われるようになっているのです。そのため、家の購入時には、中古住宅を検討する方が年々増加していると言われているのです。
それでは、実際に家の購入を検討した場合、新築と中古ではどのような点に違いがあるのでしょうか?この記事では、『新築住宅』と『中古住宅』について、それぞれを購入した際のメリットとデメリットをご紹介します。

新築住宅のメリット・デメリット

それではまず、新築住宅を購入する場合のメリットとデメリットをご紹介していきましょう。冒頭でもご紹介したように、日本国内では『新築信仰』と言っても良いほど、新築住宅へのあこがれが強い国なのです。しかし、これほど新築の人気が高いのにはそれなりの理由もあるのです。
まずは、新築を選択した場合に得られるメリットや、いくつかのデメリットをご紹介します。

新築のメリット① 最新設備を備えた家になる

新築を購入する場合の大きなメリットとなるのは、日常生活の助けとなる住宅設備に関して、全て最新設備を揃えることができると言う点です。一般の人はあまり実感がないかもしれませんが、断熱性や気密性、耐震性など、住宅の性能に関わる細かな部分というものは、年々進化していっているのです。
例え数年の違いしかない場合でも、新築住宅の方が確実に家の性能自体が高くなっていることでしょう。さらに、バスルームやキッチン、トイレや給湯器など、日常生活で使用する住宅設備に関しても、年々進化するものですので、新しいものの方がより便利で省エネ性が高いなど、さまざまな機能面のメリットが得られるのです。

新築のメリット② 税制優遇を受けやすい

新築住宅の購入時には、住宅ローン控除や固定資産税、不動産取得税などに関して手厚い優遇措置が用意されています。これは、中古住宅の購入時でも受けられるのですが、新築の方がより手厚くなっているのです。特に、築25年以上経過した住宅(木造の場合、築20年)の場合、既定の耐震性能を有していることを証明しなければ住宅ローン控除の適応を受けられないなどと言う制限があるのです。

新築のメリット③ 住宅のメンテナンスコストが安い

新築住宅の場合、建物自体はもちろん、使用する住宅設備などに関しても新しいものですので、故障や不具合が生じにくく修繕費があまりかかりません。さらに、気密性や断熱性などの性能が高くなりますので、日常生活上の光熱費なども削減できる可能性が高いのです。つまり、家を購入してからのランニングコストを安く抑えることができるのです。
家の購入時には、イニシャルコストばかりに目が行ってしまいますが、そこに何十年も住むことになりますので、ランニングコストのことも考慮しておかなければならないのです。

新築のデメリット① イニシャルコストが高い

ここからは、新築住宅のデメリット面をご紹介していきましょう。新築住宅に関するデメリットとしてまず挙げられるのは、中古住宅を購入するのに比較すればイニシャルコストが高くなってしまうと言う点です。これは、使用される設備などが新品で優れているというだけでなく、『新築』というだけで市場価格が10~20%割高になってしまう『新築プレミアム』と呼ばれる要素もあるからです。
中古住宅の場合には、市場の需要と供給の関係で価格が決まるのですが、新築の場合には、モデルルームの設営費や広告費などが建築費に上乗せされて価格が決まるという背景があるのです。こういった加算される価格が「新築プレミアム」などと呼ばれているのです。

新築のデメリット② 入居後のリスクが想定しにくい

新築住宅は、まだそこに誰も済んだことが無いため、入居後のリスクが判明していない…というデメリットもあります。例えば、物件を見に行った昼間は静かな地域に思えたのに、実際に住んでみると夜が騒がしくて騒音に悩んでしまう…、住んでみるとスーパーなどが遠くて不便…など、入居後の問題点を予想するのが難しいのです。中古住宅の場合であれば、不動産屋さんが情報を仕入れてくれていますので、リスク面の確認もしやすいのです。

新築のデメリット③ 希望エリアに住めない可能性がある

家を探すときには、「駅から近い」「出勤がしやすい」「交通アクセスが良い」など、さまざまな希望をもとに探すことになります。しかし、誰もが「この立地が最高!」と言えるような場所には既に建物が建っている場合が多く、自分の希望と完全に一致する物件を探すのは非常に難しいのです。さらに、人気のエリアになるほど物件の価格も高くなり、負担が大きくなります。
これは中古住宅にも言える問題かもしれませんが、新しく建築しなければならない新築の方が、より希望のエリアの物件を探すのが難しくなるのです。

中古住宅のメリット・デメリット

それでは次に、中古住宅を選択する場合のメリットとデメリットも見ていきましょう。

中古のメリット① イニシャルコストを抑えられる

中古住宅のメリットと言えば、やはり新築住宅を購入する場合よりもイニシャルコストが安くなると言う点でしょう。中古住宅の中には、経年劣化によりリフォームやリノベーションが必要になる場合もありますが、そういった物件はそもそも価格も安いので、改修費を入れてもイニシャルコストは安くつきます。

中古のメリット② 建物の将来的なリスクを判断しやすい

中古住宅の価格は、「適切に管理されていたか?」なども価格に関係してきます。例えば、外壁や屋根などのメンテナンスを放置しており、劣化が進行している場合は、住宅の寿命が短くなりますので価格も安くなるのです。つまり、中古住宅の場合は、購入前から現状の家の状態や将来的にどのように変化してどんなメンテナンスが必要になるのかを予測しやすいのです。

中古のデメリット① 導入されている設備が古い

中古住宅のデメリットは、導入されている設備が古いと言う点でしょう。もちろん、入居前にリフォームやリノベーションを前提している方がほとんどなのですが、全ての設備を新品に切り替える場合には、それなりの予算が必要になります。さらに、住宅の状況によっては、後付けできない設備もあり、全てが希望通りにいかない可能性もあるのです。
なお、中古住宅のリフォームを行う場合、自治体から補助金が出る場合などもありますので、そういった事はきちんと調べたうえで行いましょう。

中古のデメリット② 予想外の修繕費がかかることも

外観上は何の問題が無いように見えても、見えない位置で劣化が進行していることがあるのも中古住宅のデメリットです。そのため、良く調べて購入しないと、入居後数年で雨漏りが始まって、大規模な修繕が必要になる…なんてこともあるのです。

中古のデメリット③ 住宅ローンが使えない物件がある

これは購入前に確認できますので、そこまで大きなデメリットとは言えない人もいるでしょう。家を購入する場合には、ほとんどの方が住宅ローンを組むのですが、住宅ローンの審査では、物件に抵当権を設定することから、その担保価値も審査対象になるのです。そのため、築年数があまりにも経過して古い中古住宅の場合、ローンの審査で承認が得られない…なんて場合があるのです。

中古のデメリット④ 耐震性能に問題がある場合も…

1981年6月以前に建築された建物であれば、旧耐震基準をもとに建てられており、新耐震基準を満たしていない場合があります。もちろん、「新耐震基準=安全」というわけではないのですが、さまざまな部分の劣化が考えられる上に、新耐震基準を満たしていないとなると、注意が必要だと思います。
特に、最近では南海トラフ地震など、超巨大地震の発生確率が高くなっていると言われていますので、建物の耐震性は高ければ高いほど安心です。

まとめ

今回は、家の購入を検討している方のため、新築住宅を購入する場合と中古住宅を購入する場合、それぞれのメリットとデメリットをご紹介してきました。

この記事でご紹介したように、日本国内では古くから『新築信仰』のような物があり、どうせ家を購入するのであれば、新築住宅一択だ…と考えている方が多いです。しかし近年では、少子高齢化などによる空き家の増加が社会問題になっていることもあり、中古住宅の購入ハードルがかなり下がってきているのです。そのため、ここ数年では家を購入する際には中古住宅を購入し、自分好みにリノベーションするという考えも定着しつつあるのです。

それぞれのメリットとデメリットを見てみれば、どちらかが圧倒的に有利とはいえないのが新築と中古の関係だと思います。最後はあなたの判断になりますので、それぞれの良し悪しを良く考えて、決めるようにしましょう。特に、一度購入すれば長く住むことになる住宅ですので、デメリット面に関してはしっかりと押さえておかなければ、家の購入自体を後悔してしまう可能性がありますよ!