省スペースで人気のタンクレストイレ!導入前に知っておきたい本当のメリットとデメリット

憧れの戸建て住宅を建てる際、トイレにこだわる方は意外と少なくありません。トイレは、日常生活の中で絶対に欠かせない空間となりますし、お掃除などの日々のお手入れをできるだけ便利にするためにはどうすれば良いか?ということは考えておきたいことだと思います。

そこで近年非常に高い人気を誇っているのが『タンクレストイレ』と言われるものです。名称から分かるように、このトイレは便座の後ろに設置されているはずのタンクが無いタイプとなっており、本来スペースが狭くなりがちなトイレでも、圧迫感なく落ち着いた空間を作る事ができるのです。さらに、タンクレストイレは、日々のお手入れを手軽にすることを考えて設計されていることから、日常生活上のトイレ掃除が非常に楽になるなど、さまざまなメリットが存在すると言われています。

むとうの家でも、家を建てる際やトイレのリフォームを検討している方にはタンクレストイレの検討をオススメしていますので、この記事でタンクレストイレのメリットとデメリットをご紹介します!

『タンクレストイレ』とは?

それではまず、タンクレストイレがどういったものなのかを簡単にご紹介しておきましょう。

タンクレストイレは、上画像の様なすっきりとしたトイレで、最大の特徴は名称通り便器洗浄用の水を貯めておくタンクが無い点です。従来のトイレであれば、便座の後ろに四角いタンクが設置されるのですが、これがなくなるためスペースにも余裕ができますし、見た目上にもスッキリと圧迫感の無いトイレを実現できるのです。

もちろん、便器洗浄用の水を貯めておくタンクが無いとはいっても、普通に水を流すことはできます。タンクレストイレの場合、従来のタンク式のトイレとは違って水道直圧式となっており、水道水の水圧で水を流す仕組みになっています。したがって、タンク式ではできない連続で水を流すという手段も可能になります。また、タンクレストイレは、ほとんどの製品が非常に高機能で、多機能洗浄機能や脱臭、消臭機能など、さまざまな便利機能が搭載されています。しかも、水を流すときの水量が節水できると言う点も人気の理由です。

『タンクレストイレ』のメリット

それでは、実際に自宅のトイレをタンクレストイレにした場合、どのようなメリットがあるのかをご紹介していきましょう。

メリット1 節水効果が高い

まず第一のメリットは、従来のトイレと比較して、非常に高い節水効果があるため、光熱費削減に一役買えるというメリットです。
従来のタンク式トイレの場合、1回の洗浄にに約13リットルの水を使用すると言われているのですが、タンクレストイレにすれば、これが約3.3リットルと1/3にまで節水することが可能なのです。水の量ではわかりにくいかもしれませんが、なんとトイレをタンクレストイレにするだけで、年間約1.5万円もの水道代を節約できると言われています。

メリット2 省スペースで高いデザイン性

タンクレストイレは、水を貯めておくためのタンクがなくなる分、従来のトイレと比較して「幅、奥行き、高さ」全てが一回り小さくなります。したがって、トイレをタンクレストイレにするだけで、トイレ空間全体がスッキリとして広く見えるようになるのです。
また、タンクレストイレは、メーカーがデザイン性にこだわっていることもあり、流線型で非常に美しいデザインなのも特徴の一つです。「トイレ=汚れた場所」といったイメージを持っている方も多いのですが、近年販売されているタンクレストイレは、従来のトイレとは一線を画すほど落ち着いた生活空間を作ってくれるのです。
こういった理由もあり、トイレをいつも清潔でオシャレに保っておきたいと、トイレ掃除が苦にならなくなったという方もいるほどです。

メリット3 日々のお手入れが楽になる

タンクレストイレは、従来のタンク式トイレと比べると日々のトイレ掃除などの手間が劇的に楽になると言われています。
そもそも、従来のトイレよりもお手入れに関する便利機能も多く搭載されているのです。例えば、パナソニック製の『アラウーノ』では、トイレの水面に泡のクッションができるような機能があり、これによりトイレ中の水撥ね、水飛びによる汚れを抑えてくれるのです。また、TOTO製の『ネオレスト』の場合、除菌水によりトイレの黒ずみを抑える機能などがついているのです。
さらにこういった機能以外にも、形状やトイレを成型する素材にも清潔を保つためのヒミツが存在します。従来のトイレでは、一見するとツルツルピカピカの表面に見える陶器が使われていましたが、それでも表面には小さな凹凸が存在しており、汚れの付着を防ぐことは難しかったのです。しかしタンクレストイレでは、各メーカーが汚れが付着しにくい新素材を続々と開発し、使用しているため、そもそも汚れがあまり残らないのです。
最後は、タンクがありませんので、便器との隙間や段差など、汚れが付きやすい場所が少なくなり、拭き掃除なども簡単にできるため、日々のお手入れが楽になるのです。

メリット4 機能性の高いトイレが実現する

最後は、従来のタンク式トイレと比較すると、トイレ自体がかなり高機能に進化している点です。上述した、節水効果や汚れ防止、掃除のしやすさだけでも十分に高機能と言えるのですが、このほかにもさまざまな便利機能が搭載されているのです。
それぞれの機能性に関しては、各メーカーの人気商品を紹介しているページをご参照ください。

参考:TOTO『ネオレスト
参考:パナソニック『アラウーノ
参考:リクシル『サティス

『タンクレストイレ』のデメリット

タンクレストイレは、上記のようにさまざまなメリットがあるのは確かです。しかし、いくつか注意しておかなければならないデメリットも存在しますので、以下でご紹介しておきます。実際にタンクレストイレの導入を検討した場合には、デメリット面もしっかりと考慮しておきましょう。

デメリット1 停電時に水が流せない

ほとんどのタンクレストイレは、電気エネルギーを使用してバルブの開閉を行い、水を流す仕組みとなっています。そのため、台風や地震などの自然災害により停電が発生した場合、自動で水を流すことができなくなってしまい、バケツに汲んだ水で押し流すようにしなければならないのです。
ただし、オプション部品を取り付けておくことで、停電時でもトイレを流せるタイプも存在します。

デメリット2 手洗い機能が無い

タンク式トイレのメリットは、タンク部分に手洗いがついていることです。しかし、タンクレストイレの場合、タンク自体がありませんので、別途手洗いカウンターを取り付けなければいけません。
パナソニックの『アラウーノV』には手洗い機能がついていますが、基本的にタンクレストイレを導入する場合には、別途手洗いカウンターを考慮しておかなければいけません。

デメリット3 本体価格が高い

タンクレストイレは機能や性能が高く、多くのメーカーでトイレの上位機種に設定されています。したがって、通常のトイレを購入するのと比較すれば、確実に導入コストが高くなってしまいます。
ただし、中長期的に見た場合、非常に高い節水効果があるため、水道代のランニングコストの差で結果的には安くつくと思います。

デメリット4 ウォシュレット部分のみの交換が難しい

タンクレストイレは、便器と便座が一体構造となっており、便座のみを交換するのが難しい商品となります。したがって、家電量販店などで販売されている温水洗浄便器などを購入しても使えません。
トイレを使用中に、便座が割れてしまった…、便座のヒーターなどが作動しなくなった…など、何らかの故障が発生した場合にはメーカーによる修理が必要です。その場合、交換は可能です。

デメリット5 水圧条件が厳しい

タンク式トイレの場合、水圧など関係なくタンクに水が溜まっていれば流すことが可能です。しかし、タンクレストイレの場合、水道直圧式となるため水圧条件が存在しており、定められた水圧を下回る場合には正常に水を流すことができないのです。したがって、マンションの高層階など、水圧が低いと考えられる部屋では設置できない可能性があると言われています。
水圧条件に関しては製品によって異なりますので、設置前に水圧測定をきちんと行ってもらうようにしましょう。ただし、この水圧条件に関しては、そこまで厳しいものではありませんので、深刻に考える必要はないと思います。

まとめ

今回は、近年人気になっているタンクレストイレのメリットとデメリットについてご紹介してきました。この記事でご紹介したように、タンクレストイレは、日常生活で欠かすことができないトイレ空間を清潔で落ちつたスペースにしてくれる上、日々のお手入れを楽に、さらに高い節水効果までもたらせてくれる非常にメリットの多い設備となります。

もちろん、高機能な分、導入コストが割高になってしまうという面をデメリットとして捉える方も多いのですが、高い節水効果のことを考えるとそこまでコストを問題視する必要もないのではないかと筆者は考えます。何より、毎日のお掃除の手間を削減できるうえ、清潔でデザイン性の良いトイレ空間を作れるのは非常に大きなメリットになると思いますよ!