木造住宅における冬の寒さ対策とは?木造が寒い理由と新築時に気をつけたいポイントをご紹介!

今回は、木造住宅が寒くなってしまう原因や、新築時に考えておきたい冬の寒さ対策についてご紹介していきたいと思います。以前、戸建て住宅が寒くなってしまう理由を簡単にご紹介した「一戸建ては寒い?戸建て住宅の寒さ対策をご紹介します!」という記事のアクセスが非常に多いです。前回は、窓の寒さ対策を中心にご紹介していたのですが、今回は新築時に注意しておきたい全体的な寒さ対策についてご紹介していきます。

新築戸建て住宅の購入を検討している方であれば、「冬の寒さ対策をしたい!」「寒い家には住みたくない!」などという想いを持っていることでしょう。特に、もともと鉄筋コンクリート造のマンションなどに住んでいた方であれば「木造の一戸建ては寒いって聞くけど…本当かな?」と不安になってしまう方も多いです。実際に、むとうの家にご相談いただくお客様からも、「戸建ては本当に寒いのですか?」といった質問はよく出てきます。

そこでこの記事では、お客様の不安をできるだけ解消するため、木造一戸建て住宅が寒くなってしまう要因や新築時に検討しておきたい冬の寒さ対策をご紹介します。

木造住宅が寒くなってしまう要因とは?

それでは木造住宅が寒くなってしまう原因をご紹介しておきましょう。「なぜ寒くなるのか?」という原因をおさえておかなければ、どのような対策が必要になるのかもわかりませんし、まずは木造住宅の弱点からご紹介します。

現在、木造戸建て住宅に住んでいる方の中には、エアコンをつけている、ヒーターやストーブをつけているのに、寒さを感じてしまうことが多い…と不満に思ってしまっている方も多いのではないでしょうか?実は、この現象というのは、熱が逃げてしまう住宅構造になってしまっており、寒さを感じてしまう…というのが要因なのです。

それでは、どういった事が原因でこのような状況になるのでしょうか?以下にいくつかの原因をご紹介していきます。

窓から熱が逃げてしまう

一戸建ては寒い?戸建て住宅の寒さ対策をご紹介します!」でもご紹介しましたが、寒い冬の日に暖房をつけていても寒い…となってしまうのは窓が原因となっていることが多いです。実は、エアコンなどで部屋を暖めたとしても、暖められた空気の約58%は窓から逃げてしまう…と言われているのです。

これは、日本の住宅の多くが、アルミサッシを採用した窓になっていることが要因で、この部分に対策をとることが非常に有効な寒さ対策になります。窓の対策に関しては別記事で紹介していますので、そちらもご参照ください。

関連記事:一戸建ては寒い?戸建て住宅の寒さ対策をご紹介します!

玄関から冷気が侵入する

意外と見落とされがちな部分が玄関です。人が出入りするたびに、外部からの冷気が侵入する玄関は、家の中を寒くしてしまう大きな原因となってしまいます。わかりやすい例を挙げると、一人暮らしのアパートなどで、玄関と居間の間に扉が無い構造の場合、玄関の隙間などから冷気が侵入し、暖房器具の効果を下げてしまう…ということが多いのです。

戸建住宅でも、この部分の寒さ対策は必要です。

床材は底冷えを引き起こす

最近でこそ、床暖房などを導入するご家庭が増えていますが、少し古い住宅であれば、そういった設備がなく、冬になると底冷えしてしまう…なんてことが多いです。

こういった寒さの原因は、足元の冷気です。例えば、キッチンやトイレの床材がクッションフロアやタイルなどといった場合、足元がひんやりしてしまい「寒いなぁ」と感じてしまうことになるのです。足元の冷気は、室温の感じ方に大きな影響をあたえると考えておきましょう。

隙間風

古い木造住宅が寒くなってしまう最も大きな要因は『隙間風』が入るということです。もちろん。新築時点で隙間風が入る…なんてことがあれば、欠陥住宅なのでそのようなことはほとんどありませんが、古い家になるとどこかしらに隙間ができてしまい、冷気が侵入してしまう…ということが多くなります。

鉄筋コンクリート造と木造で寒さが違うのはなぜ?

近年では、一般の方の認識でも「鉄筋コンクリート住宅は暖かくて、木造は寒い…」という感じになっています。実際に、鉄筋コンクリート造のしっかりとしたマンションから、木造住宅に引っ越しした時には、冬場に寒い…と感じてしまったという方も多いのではないでしょうか。

それでは、建物の構造で寒さがここまで違ってしまうのはなぜなのでしょうか?

鉄筋コンクリート住宅の方が隙間が少ない

まずは、構造の違いによって生じる隙間の少なさです。木造住宅の場合、柱を建てて、その両面に壁材を貼り、内部に断熱材を充填するという壁構造が一般的です。しかし、この構造は、異素材を組み合わせて一つの壁を作るというやり方ですので、隙間を完全にゼロにして施工するという訳にはいかないのです。
一方、鉄筋コンクリート住宅の場合、壁はコンクリートを流し込んで固めるという構造になるため、隙間が一切なくなるのです。この構造の違いから、住宅自体の気密性に大きな違いが出て、冬の寒さが全く異なるわけです。

蓄熱性能の違いも大きい

一般の方はあまり意識することはありませんが、実は木とコンクリートでは蓄熱性能がかなり違うのです。ちなみにコンクリートの方が蓄熱性能が高いです。

蓄熱性能が高いコンクリートは、昼間の日差しなどで暖められた熱量を夜まで蓄えておくことができます。そのため、夜間の外気温が下がってきたとしても、壁などに蓄熱された熱で、鉄筋コンクリート住宅の方が暖かく感じることができるわけです。

新築時に考えたい寒さ対策について

それでは、実際に新築戸建て住宅の購入を検討した際、皆さんが考えておきたい冬場の寒さ対策についてもご紹介していきましょう。2014年のデータになりますが、日本国内で着工された新築住宅の約55%は『寒い』と言われる木造住宅です。
したがって、これから家を建てることを考えている方は、きちんと冬場の寒さ対策を考えたうえで、各所に対策を施しておく必要があるのです。ここでは、新築時に着目したいポイントをいくつかご紹介しておきます。

①窓の寒さ対策を徹底する

上述したように、冬場の室内が寒くなってしまう大きな要因は『窓』です。したがって、寒さ対策を考えた場合は、新築時から窓対策を進めておかなければいけません。

一般的な戸建住宅では、アルミサッシが採用されているのですが、アルミサッシは熱伝導率が高いなど、サッシとしての性能は高くありません。安価であるというメリットはあるものの、寒さ対策を考えた場合には、より性能の高いサッシを選択することがオススメです。また、窓に採用するガラスに関しても、断熱性の高い複層ガラスなどを採用するのがオススメです。以下にサッシやガラスの種類とそれぞれの特徴を簡単にご紹介しておきます。

  • アルミサッシ
    国内で多く利用されているサッシの種類です。腐食しずらい、軽量なのに高強度などといった点がメリットなのですが、断熱性の観点から利用する方は減っています。
  • アルミ樹脂複合サッシ
    現在最も主流なのがアルミ樹脂複合サッシです。室内側が樹脂になっており、ガラスの組み合わせなどで、結露の発生を抑える効果も期待できます。
  • 樹脂サッシ
    熱伝導率が低く、非常に高い断熱性を持ったサッシです。寒冷地などでは樹脂サッシが主流です。

サッシにも種類がありますので、住宅に欲しい機能をよく考えて選択しましょう。また、窓ガラスも以下のような種類が存在します。

  • 単板ガラス
    一般的な一枚物のガラスです。フロートガラスなどとも呼ばれます。
  • 複層ガラス
    2枚もしくは3枚など、複数のガラスを利用して間に空気層を封入した窓ガラスです。日差しを取り込みながら高断熱な製品が登場していますので、寒さ対策にはオススメです。
  • 真空ガラス
    2枚のガラスの間に、真空層を作って断熱性能を高めたガラスです。

このように、窓ひとつとっても、何を採用するのかによって室内の暖かさがかなり変わってきます。また、冬場の寒さ対策を考えた場合、南側の窓を大きくして昼間に暖気を取り込み、北側の窓は小さくして熱の逃げ道を少なくするなどといった対策も有効です。

②断熱材について

家の寒さ対策を考えた場合、断熱箇所や断熱材の種類など、家全体の断熱性能についてきちんと考えなければいけません。以下の点に注意しておきましょう。

  • 屋根の断熱
    屋根の断熱は、天井断熱と屋根断熱という考え方があります。天井部分に断熱材を充填するのが天井断熱で、屋根部分に断熱材を充填するのが屋根断熱です。最近では、断熱効果を持った塗料で屋根塗装などを行うという手法も登場しています。
  • 壁の断熱
    壁の断熱は、柱と柱の間に断熱材を充填する場合と、外張り断熱と呼ばれる2種類が考えられます。一般的な手法としては、グラスウールなどの発泡断熱材を、柱と柱の間に充填する方法です。外張り断熱の場合は、壁の厚みが増えますので、隣地との隙間が狭くなってしまう場合があるので注意しましょう。
  • 床の断熱
    一階の床は、床下換気を行うのかによって、床下に断熱材を充填する部分が変わります。床下空間を外部と考える場合、直下に断熱材を充填しますが、室内と考える場合は、外部の空気が入らないよう、外周部の基礎で断熱します。

近年では、さまざまな種類の断熱材が登場していますので、施工業者と良く打ち合わせしたうえで、採用する断熱材を決めましょう。断熱材は、きちんとした施工方法を行わなければ何の意味もなくなってしまいますので、その辺りも注意してください。

③間取りも重要

住宅の間取りは、住みやすさや家族とのコミュニケーションの取りやすさなどを考えて決めるものだとイメージしている方が多いです。しかし、冬場の寒さ対策を考えた場合には、この間取りも非常に重要になってきます。
例えば、吹き抜けにする、間仕切りのない広い空間を作るなどといった場合、熱が逃げやすい構造になってしまい、暖めたい場所を暖めることができない…なんてリスクがあるのです。そうはいっても、憧れの戸建て住宅の購入ですので、間取りにはこだわりたい…という方は多いと思います。

そういった場合には、リビングの南側の高い位置などに大きな窓を設けて、たっぷりと日差しを取り込むなど、暖かさを別の部分で確保できるような対策を施工業者に相談してみましょう。寝室なども、日が入る場所は大きな開口部を取り、逆に日の当たらない北側は小さな開口部にするなど、間取りの面から暖めやすい空間づくりを心がけましょう。

④熱源は絶対に必要

ここまでは、住宅の断熱性能を高めるための方法についてご紹介してきました。しかし、忘れてはいけないのは、家の断熱性能をいくら高めたとしても、それだけで暖かい空間の家になるわけではないということです。

というのも、断熱材は、あくまでも熱が逃げない、冷気の侵入を防ぐというもので、断熱材自体が熱源ではないのです。したがって、いくら断熱性能を高めたとしても、熱が逃げなくなるだけで、熱を生み出すことはできないわけです。
つまり、寒い冬場でも暖かくて快適な空間を作るためには、断熱性能を高めると同時に、上手に暖房器具を利用するということも考えなければいけません。最近人気なのは、足元から温めてくれる床暖房の導入です。

まとめ

今回は、「住宅の寒さ対策」第二弾として、木造住宅が寒くなってしまう原因や、新築時に考えておきたい住宅の寒さ対策についてご紹介してきました。

この記事でもご紹介したように、マンションなどに住んでいた方が、木造一戸建ての購入を検討した場合「戸建ては寒いと聞いたけど…」などといった事を不安に思う方が多いです。そして、木造住宅が鉄筋コンクリート造のマンションなどと比較すると、寒さに弱いというのは確かで、新築時点で何も考えずにコストの安さだけに注目すると、住んでみてから寒さに困ってしまう…などといった事になるのです。

最近では、高気密・高断熱の家なるものが人気になっていますが、やはりこういった家を建てるにはそれなりのコストをかけなければいけません。しかし、新築後、何十年もそこに住み続けることを考えた場合、コストばかりを気にするのではなく、住んだ後の快適さに注目して必要な機能性を考えるのがオススメです。
現在、新築戸建てを検討している方で、「冬の寒さが心配…」という方がいれば、この記事を参考にしてみてください。