【2022年】新築購入時に利用できる補助金や減税制度をご紹介!【令和4年】

今回は、これから新築の購入を検討している方に向け、2022年度の補助金制度や税制優遇制度をまとめていきたいと思います。ここ最近、政府の予算案の資料にミスがあったなどという件がニュースになっていますが、国民としては細かなミスよりも「どのような制度があり、自分が利用できる補助金や減税制度があるのか?」と言うことが気になってしまうものですよね。

既に、2022年度予算の概算要求は各省庁から発表されており、住宅関係の補助金となると、「地域型住宅グリーン化事業」「長期優良リフォーム推進事業」「ZEH(ゼロ・エネルギー住宅)・LCCM(ライフサイクルカーボンマイナス住宅)といった省エネ住宅への補助事業」などが継続される予定になっています。

補助金額などの詳細についてはまだ未定な部分もあるのですが、これから憧れのマイホームの取得を検討している方にとっては、どのような制度があり、それを利用するための条件が何なのかは事前に確認しておいた方が良いでしょう。
そこでこの記事では、2021年度の住宅関連補助を参考に、どのような制度が継続される予定なのかをご紹介していきます。

国土交通省関連の補助金について

国土交通省関連の補助金については、①地域の住宅関連事業者で構成するグループの中小工務店が建てる新築の長期優良住宅やZEHなどを対象とした「地域型住宅グリーン化事業」②省エネ改修等に補助を行う「長期優良住宅化リフォーム推進事業」③LCCM住宅やサステナブル社会の形成に貢献するリーディングプロジェクトを対象に補助を行う「サステナブル建築物等先導事業」④適切なリフォーム・維持管理によって、良質な既存住宅が適正な価格で市場に流通するための仕組みづくりを補助等で支援する「住宅ストック維持・向上促進事業」など、2021年度に行われている事業はいずれも継続実施の予定となっています。ただ、現時点では補助要件や補助額などの詳細は明らかになっていませんし、事業名称などに関しても変更の可能性はあると思います。

国土交通省では、2025年住宅の省エネ基準義務化に向けた動きが見られるほか、不動産業界に大きな衝撃を与えているウッドショックのような木材価格の高騰や需給ひっ迫に備えるため、安定的な木材確保に向けた取り組みの支援強化を計画しているとのことです。以下に、2021年度の補助概要を掲載しておきますので、これからどのような内容になるのかを予想しておきましょう。

すまい給付金は、2022年12月末で終了となり継続の予定はなさそうです。

参照:令和4年度国土交通省予算概算要求概要

ZEH関連の補助金について

経済産業省の概算要求では、2025年度(令和7年度)までの事業として、①「ZEHロードマップ」のZEH判断基準をクリアする通常の『ZEH』、②高性能なZEHとして位置付けられている『ZEH+』、③燃料電池や蓄電池、V2H(Vehicle to Home)設備を活用し、再生可能エネルギーの自家消費を拡大する『次世代ZEH+』の7種類のZEHに対する補助を引き続き採択予定となっています。またこれに加えて、低層~超高層のZEH分譲マンションへの補助も継続予定です。

『次世代ZEH+』の給付金についてはまだ未定ですが、『ZEH+』は定額100万円/戸、通常の『ZEH』は同55万円/戸の補助となる見通しです。これは、2021年度と比較するとそれぞれ5万円の減額予定です。ただ、蓄電池や地中熱ヒートポンプ、太陽光・太陽熱一体利用システムなどを用いる場合、別の補助を行う制度は継続されます。
その他に、「次世代省エネ建材実証事業(工期短縮可能な高性能断熱材や蓄熱・調湿材などによる既存建物の改修の際、その費用を最大1/2を補助)」や「断熱リフォーム支援事業」も継続予定となっています。

参照:令和4年度経済産業政策の重点、概算要求・税制改正要望について

こどもみらい住宅支援事業

これは、令和3年11月26日に閣議決定され2022年度からスタートする新しい補助制度となります。この補助制度は、若者世代の住宅取得にかかるコスト負担の軽減と、環境に優しい住宅ストックを国が後押ししていくということが目的の補助金で、国土交通省の公式サイトでは、この事業が制定された背景について、以下のように説明されています。

子育て世帯・若者夫婦世帯の住宅取得に伴う負担軽減を図るとともに、省エネ性能を有する住宅ストックの形成を図るため、子育て世帯・若者夫婦世帯による高い省エネ性能を有する新築住宅の取得や住宅の省エネ改修等に対して補助金を交付する「こどもみらい住宅支援事業」を創設します。
引用:国土交通省公式サイト

こどもみらい住宅支援事業は、補助対象事業のタイプが「注文住宅の新築」「新築分譲住宅の購入」「リフォーム」の3つに分かれており、補助額の最大も異なります。詳しくは、以前別記事でご紹介していますので、ぜひ以下の記事をご参照ください。

関連記事:2022年本格実施される『こどもみらい住宅支援事業』とは?

住宅ローン減税

住宅ローン減税は、数百万円の差額がでる減税制度ですので、住宅の取得者からすると非常に大きな優遇制度となります。これについては、2021年はじめごろから、来年度は【減税期間】が10年に戻ってしまうのでは…という噂がささやかれていましたが、2022年度税制改正大綱に「住宅ローン減税の見直し」が明記され、制度が4年間延長される上に、減税期間が原則13年間(中古住宅は10年間)になることがほぼ決定していると言われています。ただし、控除率は0.7%に縮小されるのでその点は注意しましょう。この控除率の縮小については、以前から問題になっていた「逆ざや」を是正するためで、この部分に関しては、以前別の記事でまとめていますので、そちらをご参照ください。

関連:住宅ローン控除が改悪!?2022年の税制改正で噂される内容について

どちらにせよ、制度自体が延長になるのは非常にありがたいことですね。なお、制度が延長されることになりましたが、いくつか変更点があるので、その辺りは注意しましょう。

変更については、国が「カーボンニュートラル」脱炭素社会を目指していることから、それに貢献する認定住宅、省エネ基準適合住宅では、減税が多くされるように借入限度額の上乗せなどがなされるようです。しかし、逆に省エネ基準に適合しない「その他の住宅」については、2024年以降の新築は原則として住宅ローン減税が受けられなくなるとされています。
2024年以降の新築では、2023年12月31日までに「建築確認を受ける」「登記簿上の建築日付が2024年6月30日以前」の要件を満たしていれば、控除期間10年(中古住宅と同様)の住宅ローン減税が適用されます。

住宅ローン減税に関する詳細は、以下のページをご参照ください。

参照:国土交通省「住宅ローン減税

国の助成を受けられる主な住宅の要件について

最後に、上述したような国の助成制度や税制優遇制度に深くかかわってくる住宅の種類についてご紹介しておきます。近年では、住宅そのものが環境保護に役立てるかどうかが重要視されており、新築住宅であるというだけでは各種助成が受けられないケースが多くなっています。ここでは、国が手厚く補助してくれる住宅の要件をまとめておきますので、新築を購入する際の目安にしましょう。

  • ZEH
    外皮の断熱性能等を大幅に向上させるとともに、高効率な設備システムの導入により、室内環境の質を維持しつつ大幅な省エネルギーを実現した上で、再生可能エネルギーを導入することにより、年間の一次エネルギー消費量の収支がゼロとすることを目指した住宅です。
  • ZEH+
    ZEHより省エネをさらに深堀りするとともに、設備のより効率的な運用などを備えた住宅です。例えば、HEMSによる、住宅設備の制御を行ったり、発電した電力を電気自動車などに充電できる設備が供えられた住宅です。
  • 次世代ZEH+
    ZEH+の要件に追加して、蓄電システムや燃料電池、V2H充電設備、太陽熱利用温水システムなどの要件を満たす住宅のこと。
  • 長期優良住宅
    長期にわたり良好な状態で使用するための措置がその構造及び設備に講じられた優良な住宅のこと。長期優良住宅の要件についてはコチラ
  • LCCM住宅
    LCCM住宅は、「ライフサイクルカーボンマイナス住宅」の略称で、建物寿命が長くCO2をより一層削減するという目標の下、建設時、居住時、廃棄までのライフサイクルトータルでCO2の収支をマイナスにする住宅のことです。この住宅は、居住時にエネルギーを創り出す設備はもちろんのこと、解体後の廃棄時のことを考えて、リサイクルしやすい材料の採用や構造などを考慮する必要があります。
  • サステナブル建築物
    サステナブルには“持続可能な”という意味があり、建物の種類というよりは概念に近いものです。定義としては(1)建築のライフサイクルを通じての省エネルギー・省資源・リサイクル・有害物質排出抑制を図り、(2)その他地域の気候、伝統、文化および周辺環境と調和しつつ、(3)将来にわたって人間の生活の質を適度に維持あるいは向上させていくことができる建築物を指すとされています。これを見ると、LCCM住宅もサステナブル建築物に含まれていますし、現状、具体的にどのような性能の住宅なのかという要件がはっきりと決まっているわけではないようです。

日本国内における、住宅関連の補助・優遇制度に関しては、単に住宅を取得するだけではなく、環境保護のことも考慮した住宅であることが求められるようになっています。したがって、新築購入時にこういった補助制度を利用したいと思う場合、事前にどのような要件が求められているのかをしっかりと確認しておかなければいけません。なお、通常の住宅よりも、設備費や建築コストが割高になってしまいますので、その点は注意しましょう。

まとめ

今回は、2022年度の住宅関係の補助制度や減税制度がどうなっていくのかについて簡単に解説してきました。この記事の内容は、まだ概算要求の段階で作成していますので、詳細な補助要件や補助内容が確定していない部分も多いです。今後、続々と詳細な内容が決まってくると思いますので、その時に各補助制度の詳細をご紹介していこうと思います。

なお、皆さんに覚えておいてほしいのは、近年の国の補助に関しては、年々住宅に求められる性能が高くなっている傾向にあります。つまり、補助金を利用したいがために高性能な住宅を建ててしまうと、家は長持ちするのでしょうが、初期負担が非常に大きくなってしまうリスクもあるということです。
その辺りは、本当に求めている性能なのかを、慎重に検討していくようにしましょう。