住宅ローンの金利について!住宅ローンには3種類の金利タイプがあるので、それぞれの違いをおさえておこう

今回は、住宅ローンの『金利』について簡単にご紹介していきたいと思います。

『金利』というものは、住宅ローンの返済額を決める非常に重要な要素となります。そして、住宅ローンの『金利』には、複数の金利タイプが存在しており、どれを選ぶのかによって一長一短が存在するのです。住宅ローンの返済計画は、人それぞれのライフプランなどによって異なりますので、自分の家計に合った金利タイプを選ぶためには、それぞれの金利タイプの仕組みや特徴、また金利タイプごとのメリット・デメリットをしっかりと把握しておくことが大切になるのです。

そこでこの記事では、誰もがおさえておきたい、住宅ローン金利の基礎知識をご紹介していきます。

住宅ローンの金利は、大きく分けて3タイプある!

皆さんも、『固定金利』や『変動金利』などと言う言葉を聞いたことがあると思うのですが、住宅ローンには大きく分けて3つの金利タイプが存在しています。当然、それぞれの金利タイプは仕組みが異なりますので、どれを選択するのかによってメリット・デメリットが違ってくるのです。

ここでは、それぞれの金利タイプの基礎知識をご紹介しておきます。

金利が変動しない『全期間固定金利タイプ』

名称からイメージできる通り、このタイプは「借入から完済まで間、金利が変わらない」タイプの住宅ローンとなります。したがって、借入時の段階で、全期間の返済額を確定させる事ができるのが最大の特徴となります。
分かりやすくするため、代表的なものをあげると『フラット35』がこのタイプに当たります。フラット35Sのように、段階的に金利が変わるものもあるのですが、将来の金利も借入時に決定するため、そちらも全期間固定金利型の一つになります。また、特別な優遇期間の後は、金利が変わるものもあります。基本的に3つの金利タイプの中では、金利が高めになると考えておきましょう。

『全期間固定金利タイプ』のメリットとデメリットは以下のような感じです。

  • メリット① 毎月の返済額が一定なので、ライフプランをたてやすい
  • メリット② 借入時に返済額が確定するので安心
  • メリット③ 低金利時にローンを組めば、完済まで低金利の恩恵が受けられる
  • デメリット① 高金利時にローンを組むと、市場金利が低下しても、金利が高いままになる…

一定期間の金利が固定できる『固定金利期間選択タイプ』

少しややこしくなるのですが、このタイプは、借入時に定めた期間は金利が変わらず、固定期間が終了する時に、改めて金利タイプを選びなおすものです。当初の固定期間は、「2年、3年、5年、10年、15年、20年」などの中から選択することができます。一般的に、固定期間が短いほど金利が低く、長いほど高くなります。
期間終了後は、改めて「変動金利にするのか?」「再度、固定金利期間選択タイプにするのか?」を選ぶことができ、その時点で選んだタイプの金利が適用されることになります。注意が必要なのは、固定期間終了時に金利が高くなっていると、毎月の返済額が高くなってしまう危険があると言う点です。なお、固定期間の種類や、終了後の選び方などは金融機関などによって異なりますので、事前にしっかりと確認しておきましょう。

『固定金利期間選択タイプ』のメリットとデメリットは以下のような感じです。

  • メリット① ライフプランをもとに、必要だと考える期間の返済額を固定できる
  • メリット② 全期間固定タイプより、金利を低くおさえられる可能性がある
  • デメリット① 固定期間終了時に、金利が上がってしまうリスクがある…
  • デメリット② 返済額の増額幅を制限するルールなどが無いため、固定期間終了後、大幅に返済額が増えてしまうリスクがある…

金利の見直しができる『変動金利タイプ』

こちらは、名称からどのような仕組みになっているのかが、ある程度イメージできると思います。変動金利タイプは、半年ごとに金利が見直されるというのが大きな特徴になっています。一般的に、3つの金利タイプの中で、最も金利が低くなると言われています。
なお、変動金利を選択した場合でも、5年間は毎月の返済額が変更されず、次の5年間を従来の返済額の1.25倍にするというルールが決められており、家計における住宅ローンの影響が急激に大きくならないような配慮もされています(一部の金融機関は除きます)。注意が必要なのは、金利が上昇してしまうと、利息分に当てられる部分が増えてしまい、返済してもなかなか元本が減らない…なんてリスクもあります。さらに、金利の上昇が大きいと、返済額全てが金利に当てられ、それでも利息に足らない場合は、未払い利息などが発生してしまう可能性もあります。

『変動金利タイプ』のメリットとデメリットは以下のような感じです。

  • メリット① 金利が下がれば、返済額が少なくなる
  • メリット② 他のタイプよりも金利が低い
  • デメリット① 金利は上昇する可能性もあり、常に金利変化の不安が付きまとう…
  • デメリット② 急激な金利上昇で、未払い利息が生じてしまう危険がある…
  • デメリット③ 借入時に総返済額が確定しないため、長期的な返済計画が立てにくい…

各金利タイプはどんな人に向いている?

ここまでの説明で分かるように、住宅ローンにはいくつかの金利タイプが存在しており、それぞれに一長一短が存在します。したがって、住宅ローンを組むときには「どの金利タイプが最適なのか?」ということに迷ってしまう方も多いのです。
当然、ライフプランなどは個人によって異なりますので、「誰にとってもこの金利タイプが最も良い!」というわけではありませんので、しっかりと詳細まで確認して自分に合う金利タイプを選ばなければならないのです。ここでは、一般的に言われている、金利タイプ選びの際のポイントをご紹介しておきます。

『全期間固定金利タイプ』がオススメな人

まずは、借入時に返済額が固定できる『全期間固定金利タイプ』がオススメの方からです。以下のような考えを持つ方は、このタイプがオススメかもしれません。

  • 完済までの毎回の返済額を確定させておきたい方
  • 返済期間中に、家計状況の変化が大きいと予想できる方
  • 社会情勢を小まめにチェックするのが苦手な方
  • 心配性の方など、金利の動きなどで不安になり、それがストレスになる方

『固定金利期間選択タイプ』がオススメな人

一定の固定期間はあるものの、途中で見直しできる『固定金利期間選択タイプ』は以下のような考えを持つ方にオススメです。

  • 小さなお子様がいて、当面は教育費などを考えて返済額を固定したい方
  • 一定期間を過ぎると、共働きになり、収入アップを予定している方
  • 車のローンなどが終われば、住宅ローンに回せるお金が増えると予想できる方

『変動金利タイプ』がオススメな人

最後は、3つのタイプの中で最も金利がおさえられると言われる『変動金利タイプ』がオススメな人の特徴です。

  • 金利上昇があっても、それに対応できるような余裕がある方
  • 早い時期から繰り上げ返済を検討している方
  • 近い将来、共働きになるなど、収入がアップする予定のある方
  • 教育費など、今後大きな支出の予定がない方
  • 社会情勢を細かくチェックするのが好きな方

あくまでも参考程度ですが、各金利タイプに合う方の特徴は上記のような感じになります。

まとめ

今回は、住宅ローンの基礎知識として、皆さんがおさえておきたい住宅ローンの金利タイプによる違いをご紹介してきました。この記事でご紹介したように、一口に「住宅ローンを組む!」といっても、どのタイプの金利タイプを選択するのかによって、返済計画などがかなり違ってきてしまうのです。自分に合わない住宅ローンの金利タイプを選んでしまうと、せっかく憧れの家を購入したのに、そのせいで生活苦に陥ってしまう…なんてことも珍しくないのです。

金利タイプなんて、金融機関や不動産屋に勧められるまま決めれば良いと考えている方も多いのですが、それぞれの仕組みやメリット・デメリットと言う点は、しっかりと自分でも学んでおくことがオススメです。そうすれば、何が自分に有利なのかもよく理解できると思いますよ。