コロナ禍で住宅ローンの支払い困難者が急増中!最悪の事態に陥る前にできることとは?

2020年から続く新型コロナウイルス問題の影響で、給与の減少や失業などを理由に、住宅ローンの支払いに窮している…と言う方が増加しています。実際に、この記事を読んでいる方の中には、既に住宅ローンの支払いが出来ず、滞納状態になってしまった…と言う方もいるかもしれませんね。

昨年の11月頃には、新規感染者数もある程度落ち着きを見せ始め、「ようやくコロナ禍から抜け出せるのでは…」と言った明るい光が差し込んでいたように思えます。しかし。2022年に入ると、変異株の感染爆発が起きてしまい、長引く自粛生活で心が折れそうになっている方も非常に多くなってしまうのではないかと心配になってしまいます。

そこでこの記事では、住宅ローンの返済は厳しいものの、マイホームは絶対に手放したくない…と言う方に向け、最悪の事態を回避するためにすぐにできることを考えていきたいと思います。

そもそも住宅ローンが払えなくなるとどうなってしまうの?

それではまず、頑張って手に入れたマイホームなのに、何らかの理由で住宅ローンを滞納する事態に陥ってしまった…なんて場合、何が起こってしまうのかを解説しておきましょう。

2020年以降、新型コロナウイルス感染症のパンデミックにより、給与の減少や失業などと言った理由で住宅ローンの支払いに窮してしまう…と言う方が急増しています。しかし、住宅ローンの支払いに困ってしまう事情と言うのは、何もコロナ問題だけに限りません。例えば、大病を患ってしまう…、事故などに遭い大怪我をしてしまう、転職することになり給与が減少してしまうなど、さまざまな理由から住宅ローンの支払いが難しくなってしまうという方はたくさんいるのです。
他にも、夫婦で協力して住宅ローンの返済をしていたという場合、離婚や妊娠など、家庭を取り巻く状況の変化で、住宅ローンの返済を継続することが困難になってしまうケースも考えられるでしょう。最近では、お子様の学費(塾費など)負担が大きくなってしまい、その他の支払が困難になってしまうというケースも珍しくないと言われています。

このように、長期間返済を継続しなければならないという特徴がある住宅ローンは、さまざまな事情で返済困難に陥ってしまうリスクが存在するのです。それでは、このようなケースで、問題を放置してしまい滞納状態になるとどうなってしまうのでしょうか?

住宅ローン滞納後の流れ

住宅ローンの支払いができなくなってしまった場合「すぐにマイホームを取り上げられて競売にかけられてしまう…」と考えている方が多いかもしれませんね。確かに、滞納が始まり、金融機関からの督促などを無視してしまえば、最終的に競売に至ってしまうものですが、『滞納後すぐに』マイホームを手放さなければならないわけではありません。

ここでは、住宅ローンの滞納から競売までの一般的な流れをご紹介しておきますので、どこで対処すべきをの参考にしてみましょう。

  • STEP1 滞納1カ月目
    金融機関から普通郵便にて、督促通知が送付されてきます。
  • STEP2 滞納2カ月~3カ月目
    郵便による催告に加えて、電話や訪問による督促が行われます。また、この段階で個人信用情報に金融事故情報として掲載されてしまいます。
  • STEP3 滞納4カ月~6カ月目
    期限の利益の喪失」に関する通知が届くのがこの時期です。配達記録もしくは内容証明郵便にて、滞納分の一括返済が求められます。
  • STEP4 滞納7カ月目以降
    ①期限の利益の喪失
    ②保証会社による代位弁済が行われます。
    ③保証会社から住宅ローンの一括返済が請求されます。
    ※(任意売却)・・・後述します
    ④競売

住宅ローンを滞納してしまい、マイホームが競売にかけられるまでの流れは上記のような感じになります。今の時代、個人信用情報に事故情報が掲載されると、かなりダメージが大きいことから、本来はこの段階に至るまでに何らかの回避策を検討しなければいけません。

なお、住宅ローンの滞納に関する話題の時には『期限の利益の喪失』と言うよくわからないキーワードが登場しますよね。これは、住宅ローンが、30年以上など、非常に長期にわたる返済期間を契約時に決め、その時に決めた金額を毎月支払っていくという契約になっています。そして、そのルール通りに支払いを行えば、一括返済などをしなくても良いのですが、これが住宅ローンを借りた人にとっての「期限の利益」と呼ぶのです。
ただ、契約時にルールを決めているのに、それに違反して滞納した場合、この期限の利益を喪失してしまう訳です。金融機関からすれば「ルールを破る人に、長期的にお金を貸すことはできない」と判断し、「期限の利益の喪失」を通知するわけです。それでもなお、返済が行われない場合、保証会社に住宅ローンの残債を代位弁済してもらい、ここからは保証会社からの督促に変わります。この督促にも応じないという態度を見せれば、最後の手段としてマイホームを競売にかけられるという結果に陥ります。

参考:一般社団法人 全国住宅ローン救済・任意売却支援協会「期限の利益喪失(きげんのりえきそうしつ)とは

任意売却と競売について

ここまでで、住宅ローンの滞納が起きた時の流れはある程度分かっていただけたと思います。要は、金融機関からの督促を無視して、長期間滞納状態で放置してしまうと、最終的に『競売』と言う措置をとられてしまい、マイホームを手放さざるを得なくなるのです。
ただ、上の流れでご紹介しているように、競売に至る前に『任意売却』と言う手段も存在するのですが、それでは任意売却と競売は何が異なり、それぞれのメリット・デメリットはどういったポイントなのでしょうか?ここでは、任意売却と競売に関して、それぞれの特徴を簡単にご紹介しておきます。

任意売却について

まずは『任意売却』についてです。任意売却は、その言葉からイメージできるように、住宅ローン債権者の同意を得て、抵当権抹消を行ったうえで、一般市場でマイホームの売却を行うという手法になります。一般的には、『競売』に至るよりはマシとされるのですが、任意売却のメリットとはどこにあるのでしょうか?

  • メリット1 競売にかけられるよりも、高値で売ることができる
  • メリット2 引越しの費用などを負担してもらえる可能性がある
  • メリット3 退去の日程などに関して、ある程度融通がきく
  • メリット4 任意売却後の返済計画について、サポートしてもらえる
  • メリット5 任意売却後の返済額について相談に乗ってもらえる
  • メリット6 任意売却に陥ったことなどを周囲に知られないので、プライバシーが守れる

任意売却は、一般の中古住宅市場でマイホームの売却を目指すので、二束三文で買いたたかれてしまうリスクがある競売よりははるかにマシな価格で売れる場合があります。ただ、当然、任意売却に関しても、通常の手段でマイホームを売却する手続きではないのでいくつかのデメリットは存在します。

  • デメリット1 個人信用情報には、金融事故情報が残ってしまう
  • デメリット2 債権者の同意が得られない場合、この手段はとれない
  • デメリット3 売却スケジュールがかなりタイトになる

任意売却は、「住宅ローンを長期的に滞納した」という事実があるわけですので、個人信用情報には事故情報が残ります。また、任意売却を選びたくても、お金を貸している金融機関側が同意しなければ、この手段をとることができません。

競売について

競売は、任意売却の手段とは異なり、住宅ローン債権者が裁判所に申し立てを行う法的手段という位置づけです。この手法は、裁判所の権限によって、マイホームを強制的に売却して、残債を回収するという手法なのです。
それでは、競売のメリットとデメリットについても簡単にご紹介しておきます。

  • メリット1 家の売却は強制的に行われるので、市場で買い手を探すなどといった手間が無い
  • メリット2 裁判所が行う行為なので、透明性が高い

メリットとまで言えるかは微妙ですが、任意売却と比較すれば、上記のような感じです、ただ、競売まで至ると、さまざまなデメリットが存在します。

  • デメリット1 市場相場よりもかなり安い金額で落札されることが多い
  • デメリット2 退去の猶予などもなく、強制的に退去を求められる
  • デメリット3 個人情報が公開されるなど、プライバシーが守られない
  • デメリット4 残債返済のための計画なども何の交渉も乗ってくれない
  • デメリット5 引越しにかかる費用などは全額自己負担

住宅ローンの返済に困ってしまった方の中には、『競売』にかけられてマイホームを手放せばそこで話は終わる…と考えてしまう方も多いですよね。ただ、競売による家の売却は、市場相場の5割程度にしかならないケースも多く、競売の売却益をすべて住宅ローンの返済に充てても、残債が残ってしまう場合がほとんどです。そして、競売後も住宅ローンの残債の返済は免除されないため、返済を続けなければいけないという点は忘れないようにしましょう。
要は、マイホームを失ってしまう上、借金は残ってしまう…なんて状況になるので、可能な限り競売にまで至ることが無いよう、早めに対策をとらなければいけないのです。

競売に至る前に行っておくべき対策

ここまでの説明で、住宅ローンの滞納に陥ってしまうと、最悪の事態である『競売』という現実に至るまでに、凡そ半年程度の猶予しか残されていないということが分かっていただけたと思います。しかし、「住宅ローンの返済が厳しい…」という現実については、本来、滞納に至ってしまう時点よりもかなり前に分かっているはずですよね。そして、「生活を考えると住宅ローンの支払いが重くのしかかる…」と分かった時点で、早めに何らかの対処に動けば、「マイホームを手放さなければならない…」という最悪の自体を回避できるかもしれないのです。

ここでは、住宅ローンの滞納に至ってしまう前に見直すべきポイントや競売という最悪の事態にならないようにするための回避策を考えてみたいと思います。

住宅ローン滞納に至る前に見直すべきポイント

まずは、「住宅ローンの滞納…」という事態に陥る前に行っていくべき回避策です。基本的に、先月まで余裕で支払えていたローンが、今月になって突然払えなくなる…なんてことは考えられませんよね。住宅ローンの滞納に至る前には「住宅ローンの支払いが厳しい…」と悩んでしまう時期が必ずあると思いますので、最悪の事態を回避するには、この段階で行動に出るのが正解だと考えましょう。

  • ①家計の見直し
    当たり前すぎる対策ですが、その当たり前が非常に重要なのです。住宅ローンの滞納が起きてしまう理由の一つに『浪費』があるケースが多いです。きちんと家計の支出を見直し、削減できる部分を削減することで、滞納を回避できる場合もあるので、まずは家庭内で出来る家計支出の見直しをしてみましょう。
  • ②けがや病気の場合、保険や給付金が使えないか確認
    住宅ローンの返済に困る理由が怪我や病気の場合、加入している保険などから給付金が受け取れるか、また受け取れるならいくらなのかを確認しましょう。さらに、病気の内容によっては、団体信用生命保険を利用することで、返済が免除されるケースもあります。まずは、団信の内容を確認してみましょう。
  • ③住宅ローンの借り換え
    金利が高い時期に住宅ローンを契約し、そのまま返済しているという場合、住宅ローンの借り換えを行うことで、毎月の返済負担額を軽減できるケースもあります。なお、借り換えする場合には、手数料などの初期コストがかかりますので、そういった費用も加味して、借り換えた方が負担軽減になるのかを慎重に検討し、実行に移しましょう。
  • ④金融機関に相談する
    住宅ローンを借りている金融機関に相談するのも有効な手段です。例えば、「返済期間を伸ばして月々の負担を減らす」「怪我が治るまで一定期間だけ返済額を下げてもらう」など、相談すれば金融機関はさまざまな回避策を提案してくれるはずです。そもそも、金融機関は、滞納されるぐらいなら余裕を持って返済できるプランに組み替えた方がマシなので、「どうせ相談しても無理だ」などと考えない方が良いですよ。注意点としては、返済期間をの伸ばすなどと言った手法は、月々の負担は減りますが、総額が増えてしまう可能性がある点です。

なお、新型コロナウイルスの影響により、住宅ローンの返済が困難になっているというケースでは、国などがさまざまな救済措置を用意していますので、自治体や金融機関にできるだけ早く相談してみましょう。

家を手放さないための回避策

上記のように、さまざまな回避策を考えてみたものの、それでも住宅ローンの返済が厳しい…と言うケースも考えられます。この場合で、「何としてもマイホームは手放したくない」と考えるのであれば、以下のような回避策を検討しましょう。

  • ①個人再生(住宅ローン特例)
    個人再生は、裁判所の認可決定が必要ですが、認められた場合、借金を大幅に減額することができます。住宅資金特別条項(いわゆる「住宅ローン特例」)が認められるケースであれば、住宅ローンの返済は継続したまま、それ以外の借金が減額され一定期間で支払うことになるため、マイホームは手放さなくて済むのです。この手法は、住宅ローンの支払いが、カードローンやキャッシングなど、その他の借金により家計が圧迫されている…と言う場合に有効です。
  • ②リバースモーゲージを活用
    リバースモーゲージとは、マイホームを担保にお金を借りる手法です。この手法は、契約者が生存している間は、利息(変動金利)のみの返済となりますので、住宅ローンをリバースモーゲージに借り換えすると、住宅ローンの返済負担が大幅に軽減できます。この手法の場合、リバースモーゲージの契約者が亡くなった後に、マイホームが売却され、その売却金が返済に充てられることになります。したがって、この手法で借りられる金額は、将来的に売却益で返済できることを想定し、マーホームの評価額の50~70%程度になります。なお、担保評価額以上の残債がある場合は、利用できないケースもあるでしょう。その他にも、年齢要件などがあるので、まずは金融機関に相談してみると良いでしょう。

その他の回避策

最後の手段は、住宅ローンの滞納が起きないうちに、通常の方法でマイホームを売却するという手法です。任意売却にしても競売にしても、「住宅ローンを滞納した」という事実が残りますので、個人信用情報には金融事故情報が残ってしまうことになります。そして、今の時代、この金融事故情報はかなりの痛手となってしまうのです。

こういったことから、傷が浅い状態で出直すことを考えた場合、住宅ローンの滞納が無いうちに、仲介市場に売却に出し、ローンを一度綺麗にするというのも手だと思いますよ。リースバックと言う手法を使えば、売却したとしても、その家に住み続けられるのですが、あくまでも一時的(2~3年が一般的)に賃貸できるというだけで、いずれ引っ越しはしなければいけません。また、リースバックした家を買い戻す場合は、相場よりも高くなると言われていますので、それであれば「家を買える」状態まで復活した時に、新たに好みの家を選べば良いだけです。

住宅ローンの支払いが困難になった場合「頑張って購入した大切なマイホームだし…」と考えて身動きが取れなくなってしまう方も多いのですが、傷が浅いうちに的確な判断をし、出直しを図るのも手だと思いますよ。なお、通常の方法で売却する場合には、売却益で住宅ローンが完済できるかどうかをきちんと確認しておかなければいけませんよ。

まとめ

今回は、コロナ禍で急増していると言われている、住宅ローンの滞納について、最悪の事態に至らないようにするための対策などをご紹介しました。

この記事でご紹介したように、住宅ローンを滞納してしまう…という事態については、いきなりその状況に陥るのではなく、徐々に「支払いが厳しくなってきたな…」となっていくものです。したがって、本来は、住宅ローンを滞納しなければならない事態になる前に、いろいろな回避策を練れるはずが、それを行わない人が多いのだと思います。例えば、「金融機関に相談しても無駄だ…」「誰かに相談するのは恥ずかしいし…」など、自分勝手に考えてしまい、正しい行動がとれていないことが、最悪の事態を招いてしまっていると考えてください。

特に、コロナ禍の現在、住宅ローンの返済に困っている方が増えていると思いますので、まずは、自治体の相談窓口などに連絡してみてはいかがでしょう。傷が浅いうちに対処すれば、将来的にもう一度マイホームを手に入れることなど難しくないと思いますよ!

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