戸建てに24時間換気って必要なの?換気システムの種類と必要性についてご紹介します

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新型コロナウイルス感染症の拡大により、『換気』の重要性が多くの方に認識されるようになっています。そのため、新築購入時の打ち合わせなどを行っている時に「24時間換気システム」という言葉を耳にしたときには、新型コロナ対策として、換気システムが導入されているのか…と考えてしまう方もいるかもしれませんね。

しかし、住宅における『24時間換気』は、何もコロナ対策として取り入れられ始めたのではなく、もっと前から建築基準法により義務化されています。それでは、現在の住宅では、設置が義務付けられている24時間換気とは、どのようなシステムで何の役割を担っているのでしょうか?

この記事では、そもそも住宅に24時間換気システムが必要とされた理由が何なのかや、導入する場合のメリット・デメリットなどを解説していきたいと思います。

そもそも戸建ての24時間換気とは?

まず大前提として押さえておきたいポイントは、『24時間換気システム』は、現在の建築基準法によりすべての建築物への設置が義務化されているということです。したがって、新築住宅を建てるor購入する際、設置したくないと思っても、設置せざるを得ないものと考えておきましょう。

この24時間換気と言うものは、「室内を1日中換気して、常に空気の入れ替えが行なわれる仕組み」のことを指しています。ちなみに、換気回数の基準などもきちんと設けられていて、住宅であれば「1時間あたり0.5回以上」が必要条件になっています。「1時間あたり0.5回以上」と言う換気回数は、1時間換気したとすれば、室内の空気が半分以上入れ替わるという計算になるそうです。

このような、住宅での24時間換気の義務化については、近年の住宅が『高気密・高断熱化』しているということが背景になっています。戸建てのセールスポイントとして、高気密・高断熱と言う点がメリットとして紹介されることが多いのですが、この部分の性能の向上により、住空間の快適性が向上する一方で、建材に含まれている化学物質やダニ・ホコリなどが空間に留まりやすくなってしまうことで、シックハウス症候群の危険性が高くなってしまったと指摘されています。シックハウス症候群は、アレルギー反応の一種で、頭痛・めまい・喉の痛み・湿疹など、さまざまな体調不良を引き起こしてしまう問題です。そのため、こういったハウスダストや化学物質の充満を防ぎ、快適かつ健康的な住空間を作り出すため、24時間換気が義務付けられたわけです。

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24時間換気の種類

建築基準法で義務化されている24時間換気ですが、換気方法などに種類が存在しています。ここでは、24時間換気の3つの種類を簡単にご紹介しておきます。

  • 第1種換気
    給気口・排気口どちらにも換気扇を設置して、空気の入れ替えを行う換気方式です。機械制御により、効率的な換気ができるシステムですので、24時間換気システムの中でも最も空気の流れをコントロールしやすいとされています。また、第1種換気のメリットとしてよく言われるのは、「熱交換システム」の使用が可能だという点です。換気は外気を取り込むということを意味するのですが、真冬など室温と外気温が大きく異なる場合は、空調効率が低下してしまいます。熱交換システムを使用すれば、室内外で気温差がある場合でも、室温に合わせながら換気ができるので、空調効率の低下を防ぐことができます。ただ、給気・排気ともに機械設備が用いられるので、設置コストや維持コストが高くなりがちで、メンテナンスの手間がかかる点がデメリットです。
  • 第2種換気
    給気口のみ換気扇を設置して、空気の入れ替えを行う方式です。排気口に関しては、機械設備なしで自然換気を行うことになるので、空気を取り込む力の方が強くなります。これにより、室内の気圧が高い「正圧状態」を保つことができます。正圧状態になると、室内の古い空気が新しい空気に押し出されて常時排出されていくことになるので、窓やドアを開閉しても汚染物質などが入ってきにくくなります。衛生的に優れた環境を維持しやすい方式ですので、住宅などではなく、食品工場などのクリーンルームに採用されるケースが多いです。この換気方式は、排出の力が弱いため、室内の湿気をうまく逃がせないという欠点が存在しています。そのため、結露などが発生しやすくなるので、一般住宅ではあまり採用されない方式です。
  • 第3種換気
    排気口のみ換気扇を設置して、空気の入れ替えを行う方式です。給気に関しては自然換気になるので、上述した第2種換気とは真逆のシステムになります。この方法は、全ての部屋に給気口を設置する必要がある点も、他の方法とは異なります。第3種換気は、空気を排出する力が強いので、室内気圧が低い「負圧状態」になります。負圧状態は、室内に湿気が貯まりにくくなるというメリットがありますので、住宅の換気方式としては優れています。第1種換気よりは、設備にコストがかからない点から、多くの住宅に採用される方式です。ただ、負圧状態になるので、窓の開閉などで汚染物質などが侵入しやすくなってしまう、外気温の影響を受けやすくなるので、空調効率が低下してしまうなどのデメリットが存在します。

24時間換気の必要性と導入のメリット

ここまでの説明で分かるように、24時間換気については、改正建築基準法で2003年7月以降、すべての新築建築物について24時間換気を設置することが義務化されています。

従来の日本建築は、障子やふすまを開け放つと非常に換気性能が良く、さらに現在のように化学物質が含まれた建材があまり使われていなかったことから、自然換気のみで特に問題が起きるようなことはなかったのです。そもそも、旧来の日本建築では断熱材などが無かったことから、隙間風が多く入り込むことになり、機械換気に頼らなくても自然と室内の空気が入れ替わっていたという点が非常に大きいです。

しかし、エアコンなどの空調機器の導入が当たり前となった現在では、空調効率なども考えられ、高気密・高断熱の新築住宅が求められるようになっています。高気密と言うのは、それだけで換気性能が悪くなりますので、こういった住宅が増えてきたことから、建材に含まれる化学物質が室内にこもってしまうようになり、頭痛やめまいなどの症状が出るシックハウス症候群が急増してしまったわけです。

こう聞くと、高気密・高断熱の家が広がってしまったことで、余計な24時間換気システムと言う設備を導入しなくてはいけなくなった…と感じてしまいますよね。ただ、高気密・高断熱の住宅は、確かにデメリットがあるものの、非常に大きなメリットがあるのも事実な訳です。ここでは、高気密住宅と24時間換気システムの関係性についても簡単に触れておきます。

高気密住宅のメリット・デメリット

現在の新築業界では、戸建て住宅でも、マンションだとしても高気密・高断熱住宅が当たり前の時代になっています。高気密・高断熱住宅には、旧来の日本建築にはない、以下のようなメリットがあるとされているからですね。

  • 空調効率が良くなるので、光熱費削減が期待できる
  • 外のホコリ、塵、花粉、PM2.5、黄砂などが家の中に入ってきにくい
  • 防音性が高くなるので、静かな住空間を実現
  • 自分たちが出す音が外に漏れにくく、隣家との騒音トラブルを防ぐ
  • トイレやキッチンの臭いが残りにくい

上記のように、高気密・高断熱住宅は、快適な住空間を作ってくれる上、空調にかかるコストを大幅に削減してくれるというメリットが存在します。ただ、住宅の高気密化が進んでいく過程で、以下のような問題が生じてしまったわけです。

  • ハウスダスト、ダニ、カビが外に出ていきにくい
  • 間取りが悪いと換気が不十分になり湿気がこもる。その結果カビの発生を誘引
  • 換気しないと酸素濃度が薄くなる

高気密・高断熱住宅は、上記のような問題点が指摘されるようになり、シックハウス症候群の増加により、24時間換気システムが義務化されるという流れになっています。

24時間換気システムのメリット

住宅の高気密化が進んでいる日本では、以下のようなメリットが注目され、24時間換気システムの義務化が決まっています。

  • 室内の二酸化炭素を排気して新鮮な酸素を外から取り込んでくれる
  • シックハウス症候群の原因物質を排気してくれる
  • 湿気を効率的に排出してくれるので、カビ予防も期待できる
  • 生活臭の排気

24時間換気システムは、高気密住宅の弱点部分を補うような機能を持っています。いずれも人間が快適で健康的に生活するためには欠かせない要素ですので、国の法律で義務化されているわけです。
ただ、「シックハウス症候群は建材の化学物質が原因なのだから、自然素材を使用すれば24時間換気は必要ない!」などと屁理屈を言う人も少なくありません。もちろん、部分的な指摘と考えれば間違ってはいないのですが、「化学物質の排気」というメリットは、24時間換気の目的の一つでしかないということを忘れてはいけません。

自然素材を中心に建てた家であっても、高気密化している現在の工法を考えると、24時間換気の停止は、室内に湿気やニオイがこもり、カビの発生を誘引してしまう危険があります。他にも、生活臭の排出やホコリやダニなどの輩出してくれなくなるので、室内の空気はどうしても汚れてしまうことになります。人間は、食べ物や飲み物を取り込む以上に、空気を取り込むわけですので、澱んだ空気の中で生活することは、さまざまな健康被害の原因となってしまうかもしれませんよ。

24時間換気システムのデメリット

それでは最後に、24時間換気システムのデメリット面も簡単にご紹介しておきましょう。一般的に言われている24時間換気のデメリットは以下のような感じです。

  • 換気のために電気代がかかる
  • 空調効率が低下してしまう

24時間換気は、常に換気のための機械を動かすことになるわけですので、この部分に当然電気代がかかってしまいます。これを嫌い、24時間換気を止めてしまおうと考える方もいると思います。ただ、24時間換気にかかるコストは、月額で数百円レベルですので、その金額で人体に悪影響のある物質を排出してくれると考えると、決して高くないと思えませんか?
また、もう一つの問題点は、エアコンなどで調整した室温が、換気によって入れ替わってしまうことから、空調効率が落ちてしまう…という問題ですね。この部分に関しては、第3種換気の場合、確かに空調効率は落ちてしまうでしょう。新築時にコストをかけて「熱交換システム」を導入しておけば、気にならない部分ですが、導入コストが高くなるという点は確かにデメリットと言えるかもしれませんね。

ただ、高気密化している近年の住宅であれば、空調効率の問題よりも、換気せずに澱んだ空気が溜まってしまうことの方がよほどデメリットが大きいと思いますよ。

まとめ

今回は、高気密・高断熱住宅が当たり前となっている現在の日本の住宅で、設置が義務付けられている24時間換気システムについてご紹介してきました。

この記事でご紹介したように、法律で義務化されていますので、「設置したくない!」と言っても、それは通らないと考えておきましょう。ただ、24時間換気は電源ボタンがありますので、設置後に稼働させないという対応は可能です。
しかし、この記事でご紹介しているように、空調効率や換気のためのコストを気にして24時間換気を止めるのは決して賢い選択だとは思えません。高気密化が進んでいる日本の住宅では、適切な換気が出来なければ、室内の空気が汚れてしまい、家族の健康被害のリスクが高くなってしまう他、湿気がこもりカビが大量発生して家を傷めてしまうという問題も生じます。つまり、月に数百円のコストをケチった結果、数十万円、数百万円かかるようなリフォームが必要になってしまう…なんてケースが考えられるのです。

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