住宅に関する永遠のテーマ!「賃貸か購入かどっちが良い?」をさまざまな面で比較してみよう!

マイホームに関する永遠のテーマとなるのが「賃貸に住み続けるか、ローンで住宅を購入するか?」という問題です。これまでも、多くの人が悩まされた問題ですし、どっちが良いかの結論も人それぞれになってしまいます。賃貸を選択した場合には、永遠に家賃を払い続けなければいけませんし損なような気もするけど、家を購入する場合は、購入時のコストがかかるうえ、その後の管理に関しても手間とお金がかかると聞くし、なかなか判断がつかない…と悩んでしまう方が多いです。

実は、この問題に関しては、どの部分を重視して比較するのかで得られる解答が変わってしまうという特徴があります。どちらも一長一短がある選択肢ですので、ご自身の将来的なライフスタイルまで考えて、何を重視するのかといった感じに優先順位をつけていかなければ、いつまでたっても答えが見つからない…なんてことになるでしょう。

そこでこの記事では、賃貸と購入に迷っている方のため、いくつかの角度から「どっちが良いの?」を比較していきたいと思います。この記事を参考に、自分の優先順位を決めると良いと思いますよ!

「賃貸vs購入」コスト面での比較

まずは、誰もが最も気になる部分である『コスト』に関する比較からしていきましょう。

賃貸住宅を選択した場合のコスト

まずは、賃貸物件に住み続ける場合のコストからです。この選択の場合、主に以下のようなコストがかかって来ます。

  • 毎月の家賃
  • 管理費
  • 駐車場代(自動車を所持している場合)
  • 契約更新料

基本的に、賃貸住宅に住む場合、家賃とそれに上乗せされる形で管理費が必要になります。また、自動車を所持している場合には、重ねて駐車場代がかかってきます。賃貸戸建の場合であれば、家賃に駐車場代が含まれているのが一般的ですが、駐車場がない物件であれば、別途駐車場を契約する必要があります。
他には、賃貸住宅の場合は、大抵、2年間の契約を結んで更新していかなければならず、更新時に契約更新料(家賃1か月分)が必要になります。この契約更新時には、家賃が引き上げられてしまう場合もありますので、注意が必要です。

賃貸住宅を選択する場合は、支払いに終わりがないため、生涯コストは一定の推移で増加し続けるというのが特徴です。なお、同じ物件に何十年も住み続けるというのはあまり現実的ではありませんし、何年かおきに引っ越しが必要になり、その都度家賃以外の費用がかかってしまうでしょう。なお、高齢になってくると、新たな賃貸契約を結ぶのが難しくなるというリスクもあります。

購入を選択した場合のコスト

次は住宅ローンなどを組んで購入する場合です。この場合、家賃と同じく、毎月ローンの支払いがコストとして発生します。さらに忘れてはいけないのは、家を良い状態で保つためには、定期的な点検・メンテナンスがかかり、そこに維持コストがかかってしまいます。住宅を購入する場合の一般的なコストは以下のような感じです。

  • 物件代金
  • 住宅ローン利息
  • 購入時諸費用
  • 固定資産税
  • 駐車場代
  • 管理費(マンションの場合)
  • 修繕積立・修繕費用
  • リフォーム費用(住宅設備も含みます)

駐車場付きの戸建てであれば、駐車場代はかかりませんが、分譲マンションや駐車場がない戸建て住宅の場合は、別途駐車場代がかかってしまいます。また、住宅の管理費用として、マンションであれば毎月修繕積立費などとして支払わなければいけません。戸建て住宅の場合は、修繕積立費などはありませんが、住宅に何らかの劣化や破損が生じた場合には、全て自己責任で修繕しなければいけません。つまり、修理やリフォームの度に、それなりのコストが維持費としてかかってくるわけです。

住宅ローンについては、支払いが終了すれば、その後にコストがかかって来ることはありません。住宅ローンを組んで購入する場合には、『利息』なども支払わなければいけない…と言う点で賃貸の方が良いと考えてしまう人もいるのですが、住宅ローンの場合はゴールがあるという点がメリットです。ローンを完済すれば、それ以降、生涯コストが増加することはありませんし、毎月の負担はかなり軽減されることになります。そのため、ランニングコストの面で考えれば、購入したほうがお得と考える方が多いです。また、購入した場合、物件を資産としてみなすことができ、売却することも可能になると言う点もメリットでしょう。

「賃貸vs購入」将来設計の面での比較

次は、人生設計や収入の安定性などの面から比較してみましょう。人によって将来設計は全く異なりますので、賃貸か購入どちらが良いかは、その人の考えで変わってしまうものなのです。

『自由度』を重視するなら賃貸がオススメ

賃貸住宅の大きなメリットは、「引っ越したいときに引っ越せる」という自由度の高さです。賃貸契約には更新期間など、多少の制限があるものの、基本的には好きなタイミングで好きな場所に住み替えることが可能です。

例えば、急な転勤が多い仕事をしているとか、災害や近隣トラブルが発生した…なんて場合でも、賃貸住宅に住んでいる方は『引っ越しする』という選択を選ぶことが可能です。したがって、購入した物件の扱いに困ってしまう…なんてリスクがなくなるのは大きなメリットと言えるのではないでしょうか?

あなたの将来設計を慎重に考えて、転職などを検討している場合や長く同じ家に住み続けるのが難しい…と感じるようであれば、自由度の高い賃貸住宅を選んでおいた方が、理想のライフスタイルに近づくと思います。

『安定性』を重視するなら購入がオススメ

購入する場合は、上述したように、長期的な視点ではランニングコスト的にお得なのですが、購入時の負担の大きさや手間を考えると、一度購入してしまえばなかなか移動することが難しくなると言う点がデメリットです。

例えば、住んでから地域のトラブルに巻き込まれてしまった…、自然災害で家がなくなってしまった…など、購入時には想定できなかった問題が発生することもあります。そして、購入後にそういったトラブルが発生してしまうと、住み続けることが難しくなりますし、物件自体の価値も落ちてしまうことになるでしょう。

ただし、将来的に収入が少なくなっても、住むところには困らないという安定性は非常に大きなメリットになります。高齢になると、賃貸契約が更新できない…なんてトラブルも予想できますし、将来設計的に引っ越しの予定などはないというのであれば、最適な場所を選んで購入したほうが安心できます。
万一、転勤で家を空ける…なんてことになっても、定期借家として貸し出すなんて選択もできます。

「賃貸vs購入」管理面での比較

次は、住む場所の管理面からの比較です。どのような住宅でも、そこに存在するだけで劣化が進行してしまいますので、定期的なメンテナンスは必要不可欠です。それでは、賃貸と購入では、管理面にどのような違いがあるのでしょうか?

賃貸なら管理に手間がかからない

賃貸住宅の場合、あくまでも借りているだけですので、その物件の管理やメンテナンスは、オーナーや管理者が行うことになります。もちろん、自分で依頼することもできるのですが、自室の設備に何らかのトラブルがあった場合でも、管理会社やオーナーに相談すれば、業者の手配などを代行してもらうことができます。

また、設備トラブルなどの修繕費用に関しても、借主側に明らかな過失がないのであれば、管理している側が負担するものとなります。さらに、そのトラブルによって、物件価値が下落してしまった場合、家賃減額交渉なども行える場合があります。

このように、何らかの問題が生じたとしても、自分で対処する必要がないため、手間がかからないというのが賃貸住宅のメリットです。つまり、住む場所の管理に時間や手間をかけたくない…という場合は賃貸がオススメかもしれませんね。

購入した場合、メンテナンスは自己責任

家を購入した場合は、持ち主が自己責任で全てのメンテナンスをしなければいけません。業者の手配はもちろん、修繕にかかる費用の支払いなども全て持ち主が行います。分譲マンションの場合であれば、共用部分に関しては、管理会社が積み立てた管理費で行ってくれますが、戸建て住宅の場合は、全て持ち主の手間となります。

特に戸建住宅の場合は、点検・メンテナンスをしておかなければならないポイントが多いので注意しましょう。必要なメンテナンスを怠ってしまうと、住宅の劣化が一気に進行してしまうことになりますので、物件の価値も下落してしまいます。
メンテナンスの面で言えば、購入の方が手間がかかると考えておいた方が良いと思います。

関連記事:家は建てて終わりではない!将来的に必要になる住宅メンテナンスについて!

「賃貸vs購入」カスタマイズ面での比較

最後は、住宅のカスタマイズ性について比較しておきます。どのような住まいでも、住んでみると小さな不満が出てきてしまう…なんてことがあります。また、お子様が成長して楽器の演奏を習わせたいけど、近隣に配慮するために防音リフォームが必要なんてことも考えられますね。それでは、賃貸と購入の場合、こういった住宅自体の自由度に何らかの違いは生じるのでしょうか?

賃貸の場合、カスタマイズは基本NG

賃貸住宅は、何らかの事情があってリフォームしたい…と思ったとしても、原則としてできない…場合が多いです。築年数が経過した建物であれば、それを加味して相談すれば認めてもらえる可能性もあるのですが、大幅なリフォームはそれでも難しい場合が多いです。最近では、DIY人気がある事から、制限付きでリフォームを認めているという場合もあるのですが、それでも壁を壊すような大掛かりなリフォームはできないと考えた方が良いです。

賃貸で認められるのは、蛇口を新しいものに変える、便座を温水洗浄便座に変える、エアコンを取り付ける程度と考えておきましょう。また、こういった細かなカスタマイズでも、退去時に原状回復が義務となっている傾向が多いため、もともとついていたものは保管しておき、退去時に元に戻さなければならないと考えておきましょう。

賃貸物件でのカスタマイズに関しては、オーナーさんや管理会社によって考え方がかなり違うため、勝手に行うのではなく、必ず事前に相談するようにしましょう。

購入すれば、自由にカスタマイズが可能

長く住んでいれば、好みなども変わるし、将来的には自分の好きなように壁を壊したり、棚を取り付けたり、窓を増やしたりしたいなど、自由にカスタマイズしたいとお考えなら購入がオススメです。戸建て住宅の場合は、基本的に無制限で住宅のカスタマイズをすることが可能です。自分の家ですので、原状回復の義務などありませんし、その時の気分によって自由にカスタマイズすることが可能です。

ただし、分譲マンションの場合は、他の部屋への影響や建物全体などの強度なども考えなければならず、管理規約などでもリフォームの制限がかけられることがあるので注意しましょう。

まとめ

今回は、住まいを決める時の永遠のテーマである「賃貸か?購入か?」について、さまざまな面から比較してみました。この記事でご紹介したように、各ポイントによって「賃貸の方が良いか?購入の方が良いか?」が全く異なりますので、本当に難しい問題と言えるでしょう。

この問題については、人それぞれ重視するポイントが異なるはずですので、自分が何を優先したいのかという優先順位をきちんと決めることからスタートすると良いでしょう。一般的には、誰もが憧れるマイホームの購入ですが、将来設計やライフスタイルによっては賃貸の方が有利に働くことがある場合もあるのです。