新型コロナウイルスの影響で、日本の住空間に変化が?

今回は、新型コロナウイルスの影響により、大きく変化していっていると言われる日本の住空間について簡単にご紹介していきます。以前別の記事で、コロナ禍で注目されている新築時に選ばれる住宅設備についてもご紹介していますが、既存住宅でもさまざまな工夫を凝らしてテレワークに対応している方や、多額のコストをかけてリノベーションをかける方が急増していると言われているのです。

実際に、この記事を読んでいただいている方の中にも、新型コロナウイルスの影響で、テレワークが導入されたものの、家の中で仕事に集中できる場所が無くて困っている…という方も多いのではないでしょうか?そもそも近年の家づくりでは、開放感や家族とのコミュニケーションがとりやすくなるなどと言った部分が重視される傾向にあったため、テレワークやリモート学習に適した場所が家の中にない…なんて場合の方が多いのです。最近では、大手ハウスメーカーなどから、防音対策が施されたテレワーク専用部屋を備えた建売住宅が登場し始めていますが、最近家を建てたばかりの方であれば、いきなり建て替えやリノベーションを行うなどとても現実的ではありません。

そこでこの記事は、コロナ禍で在宅時間が増えた今、日本の住空間がどのように変化していっているのかについて簡単に考えてみたいと思います。

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テレワークやリモート学習部屋が求められる

新型コロナウイルスによる社会生活の変化と言えば、テレワークや在宅勤務と呼ばれる新しい働き方が一気に浸透し始めたと言う点でしょう。テレワークに関しては、今回のコロナ問題で登場したと考える方も多いのですが、もともと日本政府が推し進めている働き方改革でも、テレワークの導入が推進されていました。これは、少子高齢化などの影響もあり、労働人口が減少している中で、子育て中の女性でも自分のキャリアを中断しなくて良くなるなどがメリットと捉えられ、積極的に推進されていたのです。

しかし、もともと「対面での仕事」が重視される日本では、政府が推進していたとしても、なかなか一般社会に浸透しなかった…というのが実情でした。それが、今回のコロナ問題で、一気に受け入れられ始め、東京都が今年の1月に行った調査では、57.1%の企業がテレワークを導入していると答えているのです。
こういった新しい働き方に関しては、コロナ問題が終息したとしても、そのまま導入を続ける企業も多いですし、今後の住空間では『家で仕事ができるスペース』が求められるようになると考えられています。また、お子様の事を考えても、インターネットを介した『リモート学習』を導入する学習塾が増加していることから、お子様の学習スペースの事も考える必要があるでしょう。

既存住宅のテレワーク対応

これから新築住宅を購入するという方であれば、テレワークやリモート学習に対応できるような間取りを一から考える事が可能です。しかし、既に生活をしている住宅に関しては、テレワーク用の場所に困っている…という話をよく耳にするようになっています。
例えば、既存住宅では、リビングなどで仕事をするという方が多いようですが、夫婦ともにテレワークとなっている場合、奥様の(旦那の)WEB会議の声が気になってしまい、仕事に集中できない…なんて声があります。他にも、WEB会議中に子供の声が入る…家事をしている音がうるさい…など、仕事に集中できなくなってしまう…という方は多いようです。テレワークは、通勤時間などが無くなりますので、家族との時間や趣味の時間を増やせるといったメリットもあるのですが、仕事の効率が落ちてしまうのでは意味がありませんよね。
そこで、既存住宅では、以下のような対策が行われています。

  • ウォークインクローゼットなどを活用
    もともとウォークインクローゼットとして利用していた部屋をテレワーク専用部屋として活用する方が増えているそうです。これであれば、個室となりますので、ご家族が視界に入ることなく仕事に集中できるはずです。ただし、ウォークインクローゼットは防音対策などは施されていませんので、生活音が気になってしまう…という場合が考えられます。音の問題を解消するためには、自分で簡易的な防音対策を行うか、専門業者による防音工事が必要です。
  • リビングをプチリフォーム
    テレワーク専用に利用できる小部屋などが無い場合、リビングや階段下などの空きスペースをリフォームし、テレワーク専用部屋を作るという方も多いです。もちろん、それなりのコストがかかってしまいますので、コロナ問題収束後もテレワークが続くのか、他にも利用価値があるのかなどを検討して、リフォームするか考えましょう。
  • テレワーク用のアイテムを購入する
    最近では、テレワーク専用のテントなどが販売されるようになっており、そういったアイテムを購入し、リビングなどに設置する方も多いです。中には、それなりの防音効果を持っている商品などもあり、手軽にテレワーク専用部屋を作れると人気のようです。
    > Bauhutte (バウヒュッテ) ぼっちてんと
    > だんぼっち

このように、既存住宅でもちょっとの工夫でテレワークに適した環境を作る事が可能です。

コロナ禍で求められている住宅機能

ここまでの説明で分かるように、新型コロナウイルスの影響で日本の社会生活は大きく変化していっています。正直なところ、感染症に関しては、他にもたくさん存在しているのですが、世界中で一気に感染拡大を見せた新型コロナウイルスは、人々にとって非常に大きなインパクトがあったのでしょう。

こういった影響もあり、日本の住宅に求められる機能も変わってきていると言われています。例えば、現在の新築住宅では、帰宅して家の中に入る前に手洗いやうがいができるよう、玄関部分や玄関のすぐそばに洗面が求められるようになっています。他にも、外から帰ってきた際、人間に害があるウイルスや花粉を玄関でシャットアウトできるよう、玄関収納を大きくとりたいといった要望が非常に多くなっています。

以下で、コロナ禍の現在、既存住宅でも検討されることが多くなっているリノベーション事例をいくつかご紹介しておきます。

  • 玄関に洗面
    小さなお子様がいるご家庭では、玄関部分に手洗いを設ける方が増えています。手洗いが奥まった場所にあれば、外から帰ってきたお子様がいろいろな場所を触ってしまい、ウイルスを拡散させてしまう恐れがあります。玄関部分に手洗いを設置しておけば、家の中にウイルスを持ち込まなくて済むと考えられているのです。また、来客があった際も、洗面所に案内しなくても良くなりますので、お互いに気を使わなくても良いというメリットがあると言われています。こういった状況もあり、住宅設備大手LIXILでは、小型洗面「どこでも手洗」の販売を開始しています。
  • 玄関収納を大きくとる
    玄関部分を広くして、玄関収納を作るという方も増えています。玄関収納があれば、上着や帽子、鞄などを家の中に持ちこまなくなりますので、新型コロナウイルス対策に有効と言われています。また、花粉の時期も同様に、家の中に侵入する花粉を減らすことができますので、花粉症対策にも有効です。
  • テレワーク・リモート学習部屋を作る
    テレワークやリモート学習専用の部屋を新たに作る方も少なくありません。現在では、新型コロナ問題収束後もテレワークを続けるという企業が増えており、長期的な視点で考えた場合、効率を落とさずに仕事ができる場所を作った方が良いと考える方も少なく無いと言われています。また、お子様がいれば、リモート学習用の部屋としても利用できると言う点が大きいのだと思います。

まとめ

今回は、新型コロナウイルスの影響で、大きく変化し始めた日本の住空間について簡単にご紹介してきました。この記事でもご紹介したように、昨年から続くコロナ問題は、世界中に大きな影響をあたえており、日本人の社会生活が一変したと言っても良いような状況になっています。

特に、政府が推し進める働き方改革でも受け入れられなかったテレワークが、今回のコロナ問題により一気に浸透しており、皆さんの中にも「仕事は家でしている」という方も多いのではないでしょうか?今回の新型コロナウイルスにより、在宅時間が急激に長くなってきており、従来の住宅に求められてた機能とは全く異なる機能が必要になっているのです。
これから新築戸建て住宅の購入を検討している方であれば、自分たちの将来的なライフスタイルに合わせて家づくりが進められますが、既存住宅であれば、既に存在する住空間で何とか工夫するしかありません。もちろん、コストがかかってしまう方法もありますので、本当に必要な機能なのかをよく検討したうえで、導入するか決めましょう。

むとうの家では、お客様のライフスタイルに最適なリフォーム・リノベーションのご提案もしていますので、漠然とした要望でもお気軽にご相談ください!