ペットのことも考えた新築一戸建て住宅!建てる前に考えておきたいポイントをご紹介

今回は、犬や猫など、ペットを飼っている方が新築戸建て住宅を購入する際、ペットと共に快適に暮らすために注意しておきたいポイントをご紹介していきたいと思います。

現在、ペットを飼っていない方であっても、一戸建てを手に入れたタイミングでペットを迎え入れたいと考えている方も多いのではないでしょうか。2018年に一般社団法人ペットフード協会が行った調査によると、日本国内で犬を飼育しているご家庭は約715万世帯、猫を飼育しているのは約553万世帯と、多くのご家庭がペットと一緒に生活するようになっています。特に、新型コロナウイルスの影響で、自宅にいる時間が増えてきたことから、昨年からさらにペットを迎える方が急増していると言われています。

そこでこの記事では、人間だけでなく、一緒に暮らすペットのことも考えた家づくりのポイントをご紹介します。今や、ペットは家族の一員として考えられるようになっていますが、人間とは生活習慣が全く異なる生き物ですので、長く一緒に過ごせるようにするためにはさまざまな注意点が存在するのです。

ペットに配慮した家づくりのポイント

それでは、ペットに配慮した家づくりのポイントをいくつかご紹介していきましょう。ここでは、ペットの代表である犬や猫を飼う時に注意したいポイントをご紹介していきたいと思います。一昔前までは、「番犬」として犬を飼う方が多かったのですが、最近では家族として犬を迎え入れる方が増えており、大型犬でも室内飼いをしているご家庭が増えています。

それでは、体の構造など、人間とは根本的に異なる犬や猫が快適に生活できるようにするためには、どういった点に注意すれば良いのでしょうか?以下で見ていきましょう。

ペットに負担がかからない床材

ペットが室内でものびのびと行動できるようにするためには、ペットの身体に負担がかからないように配慮しなければいけません。例えば、フローリングの床材などとなると、ペットが足を滑られたり転んだりして怪我をしてしまう危険があります。したがって、グリップ力がある無垢材やクッション性のある素材を床材に導入するなどの対策が必要です。なお、ペットを飼う限り抜け毛の問題などがありますので、掃除のしやすさも考えておく必要はあります。

他にも、床材をクッション性のある物にするメリットは、ペットの肉球を守ってくれるという効果があります。ペットの肉球は、適度に湿っており、これが滑り止めのような役割を持っているのですが、年と共に乾燥してしまい、フローリングでは転んでしまうリスクが高くなるのです。こういった点にも注意して床材の素材を選択するようにしましょう。なお、ペットも階段を上り下りする想定があるのであれば、緩やかな傾斜にしておくのがオススメです。段差が急だと、足腰への負担が大きくなってしまいます。

温・湿度管理に注意

犬や猫を飼う時に注意したいのが、室内の温度や湿度の管理です。犬や猫は、人間と異なり、体温調整がすごく苦手です、人間であれば、服を着たり汗をかいたりして体温調整ができますが、犬や猫の場合、肉球部分でしか汗がかけず、人間のように自分で快適な温度に調整することが難しいのです。

したがって、ペットが快適に暮らせるということを考えた場合、高断熱・高気密の家であることが非常に重要です。一般的に、犬や猫が快適に生活するためには、室温が23~28℃、湿度が50~60%ぐらいと言われていますので、エアコンや換気システムを上手に活用して室内の温度・湿度を調整するようにしましょう。

匂いや汚れに配慮した壁材

ペットと共に生活するうえで、劣化しやすいのが壁材です。猫を飼っている方の家で、壁が爪とぎでボロボロになっている…なんて状況を見たことがある人も多いと思います。当然、室内の美観が大きく損なわれてしまいますので、誰もが困ってしまうことでしょう。

こういった事を防ぐためには、初めから傷に強い壁材を導入すると良いでしょう。例えば、「表面強化」などと表記された壁材なら、ペットに傷つけられるリスクが減ります。また、壁紙の中には防汚タイプや撥水タイプなどもあり、こういったタイプは、壁を汚されてしまっても非常に掃除がしやすく常に綺麗で清潔な空間を保ちやすくなります。なお、ペット特有のニオイが…という場合、消臭効果のある壁材を導入しておくのがオススメです。

ペットの危険を遠ざける

住宅内には、人間にとって当たり前のものでも、ペットにとっては非常に危険なものも少なくありません。例えば、キッチンやバスルームでのペットの事故は意外に多いのです。

キッチンには、さまざまな電化製品の配線がありますし、火を使う場所となりますので、ペットにとっては非常に危険です。犬や猫などは、寂しさから配線をかじってしまい感電事故が発生する…なんてこともありますので、ペットにとって危険が多い場所はペットフェンスなどを配置して『立ち入り禁止』スペースにするなどの工夫が必要です。
また、バスルームは、お風呂にお湯を溜めている時に、ペットが誤って落下してしまう…シャンプーやリンスを誤飲してしまう…などの危険がありますので、こういった部屋も立ち入り禁止にするのがオススメです。

ワンちゃんの散歩について

犬を飼われている場合、毎日お散歩に連れて行ってあげる必要があります。したがって、日課となるお散歩がスムーズに行えるように考慮した家づくりをするのがオススメです。

例えば、玄関近くにリードやハーネスなどのお散歩グッズを収納できるスペースを設けておくことや、散歩から帰ってきて室内に上げる時、効率よく足を洗えるようにマルチシンクを設置しておく、排泄物用のゴミ箱を置いておくなどしておけば、人もペットも快適な日常生活を送れるようになるでしょう。最近では、通常の玄関とは別に、ペットの出入り専用の玄関を設けるような方も増えています。
なお、敷地がそれなりにあり、小型犬を飼う場合には、庭にドッグランを設けておくのもオススメです。

猫を飼うならキャットウォークを!

近年では、猫を飼う場合、常に室内で飼うという方が多いです。したがって、猫がストレスを感じず、適度な運動を行えるようにするためには、家の中を自由に動き回れるような空間を作ってあげる必要があります。

最近では、キャットウォークやキャットステップが市販されていますが、家を建てる時には、家の雰囲気に合わせて猫の遊び場を一から作ってあげるのがオススメです。収納スペースなども兼ね備えておき、オシャレな遊び場を作る事で、猫もストレスなく快適に生活することができるようになります。また、猫の爪とぎ専用のスペースなどを設置しておけば、家具や壁をボロボロにされてしまう危険も軽減できます。

屋上や庭を利用する

小型犬を飼う場合、上述したように庭にドッグランを設けるのがオススメです。ただし、庭を作るほどの敷地が無い…など言う問題もあるでしょう。そういった場合には、陸屋根を導入し、屋上部分をドッグランにするのもオススメです。敷地内にペットが自由に運動できるスペースがあることは、飼い主にとってもペットにとっても素晴らしい環境になると思います。

ただし、庭にドッグランを作る場合は、庭に植える植物に注意しておきましょう。植物の中には、ペットが食べると体調を崩してしまうものも少なくありませんので、何を植えるのかはしっかりと検討したうえで植生を考えましょう。

鳴き声対策も重要

都市部の戸建て住宅などであれば、住宅ごとの距離が非常に近くなっており、お隣さんとの距離が数十cmしかない…なんて場合も珍しくありません。こういった環境で犬や猫などのペットを飼う場合、泣き声対策には注意しておいた方が良いです。

例えば、室内から音が漏れないように、二重窓にする、窓シャッターを取り付ける、防音性の高い分厚いカーテンを設置するなど、夜間や朝方に犬が鳴いても外に音漏れがしにくくなるような対策が必須です。また、ペットが無駄吠えしないようにしっかりとしつけを行うのも怠ってはいけません。犬の鳴き声は80~100dBもの音量になると言われていますので、何の対策もしなければ近隣との騒音トラブルに発展してしまう危険があるでしょう。

まとめ

今回は、ペットと快適に生活するためにおさえておきたい家づくりのポイントについてご紹介してきました。今や3世帯に1世帯はペットを飼っていると言われており、ペットを飼う方は家族の一員として大切にするようになっています。

一昔前であれば、犬は庭につないでおくなどと言った扱いが当たり前でしたが、現在では大型犬であっても室内で一緒に生活をしているという方が増えています。しかし、こういった生活習慣の変化は、ペットにとっていい事ばかりではないと言われているのです。例えば、フローリングが当たり前の現在の住宅では、ペットが足を滑らせてしまい怪我をしてしまうことも多いですし、配線などをかじって感電事故が起こる…なんてことも少なくありません。
人間は、何が危険で何が安全か自分で判断することができますが、犬や猫はそれができないということを忘れてはいけません。したがって、室内でペットを飼う時には、人間側が犬や猫の健康を考えてさまざまな工夫をしてあげる必要があるのです。新築戸建て住宅を購入する時には、「ペットも快適に暮らせるように!」という視点を持って、家づくりを進めると良いのではないでしょうか。