大手ハウスメーカーは長期保証があって安心ってホント?最近よくある長期保証の注意点をご紹介!

新築戸建て住宅を購入する場合には、将来的な住宅の維持管理の事も考えなければいけません。そのため、住宅の購入先を検討する場合にはどういった『保証』がついているのかを気にする方は非常に多いことでしょう。特に、日本人は諸外国と比較しても『保証』という言葉に敏感な国民性を持ていると言われていますし、ハウスメーカーとの打ち合わせ時には保証内容に関して必ず質問するという方が多いことでしょう。

こういった日本人の国民性もあってか、ここ数年では、大手ハウスメーカーを中心に20年保証や30年保証、さらには60年保証といった非常に長い保証がついていることを売りにする住宅が登場し始めているのです。住宅を購入する方からすれば、将来的に何十年も住むことになる場所ですし、これほど長い保証があると聞けば「さすが大手ハウスメーカーだな!」「やはり大手が安心だな!」と思ってしまうことでしょう。当然、誰もが、できるだけ長い保証がある方が安心と感じてしまいますし、「20年保証」や「30年保証」という言葉をそのまま鵜呑みにして喜んでしまうものなのです。

しかし実際には、大手ハウスメーカーが売りにしているこういった超長期保守の中身について正確に把握している方が少ないように思えます。そこでこの記事では、最近よく見かける住宅の『長期保証』の注意点をご紹介していきたいと思います。

住宅の保証に関する基礎知識

一般的に、家電などのモノを購入する場合や、何らかのサービスを購入する場合には『保証内容』を気にしてしまう…という方が多いのではないでしょうか?特に、住宅の購入となると、人生で最も高額なお買い物になるわけですので、ほとんどすべての方が『保証』について不動産会社にしっかり確認することでしょう。

そもそも、住宅というものは、一度建ててしまえば一生新築の状態を保ってくれるような物ではなく、住み始めた瞬間から徐々に劣化が始まり、定期的な点検やメンテナンスが欠かせないものなのです。したがって、どのような住宅を購入する場合にも、必ず『保証』というものがついています。さらに言えば、住宅には法律で義務付けられた保証もあります。

法律で義務付けられた『瑕疵担保責任』

住宅には『瑕疵担保責任』が義務化されているというお話をみなさんも耳にしたことがあるのではないでしょうか?

現在では、大手ハウスメーカーであろうが、中小の工務店から住宅を購入しようが、どのような場合でも住宅に『10年保証』をつけなければならないと法律で義務化されているのです。これは、2000年4月に施行された「住宅の品質確保の促進等に関する法律(通称:品確法)」に基づくもので、現在では住宅を販売する場合には、全ての住宅施工会社に「瑕疵担保責任」が義務付けられているのです。

ちなみに、品確法による『10年保証』の中身に関しては、主要構造部分の欠陥と雨漏りの2点になります。要は、新築から10年以内に雨漏りが始まった…なんて場合は、施工側がその責任を負うというものです。この瑕疵担保責任については、大手ハウスメーカー、中小の工務店など、企業規模に関わらず、施工側が同じような責任範囲を負うことになっています。

『瑕疵担保責任』って施工会社が倒産したらどうなる?

ここで、お客様から良くご質問にただく『瑕疵担保責任』の基礎知識もご紹介しておきます。10年間の瑕疵担保責任は、法律で義務化されていますが、その保証を受けられるかどうかは施工したハウスメーカーや施工会社が健全に存在していることが前提です。そのため、10年以内に自分が契約した施工会社が廃業、もしくは倒産した場合、「保証書があってもただの紙切れになってしまうのでは…」という心配をする方が多いです。こういった部分が気になってしまうと、倒産の確率が少ないと考えられる「大手の方が安心なのかな?」と考えてしまう方もいることでしょう。

こういった購入者の心配を解消するため、2009年10月以降に引き渡しされる住宅に関しては、「瑕疵担保責任を履行するため」という名目で、施工会社に「資産確保」が義務付けられています。この資産確保は、法務局などに保証金を供託しておくという方法や、保険に加入しておくといった方法で行われています。(大手ハウスメーカーは供託、その他の施工会社は保険に加入するという場合が多いです)
皆さんも、住宅を購入する際に「瑕疵担保責任保険」という名前を耳にしたことがあると思うのですが、新築住宅の引き渡しは、供託を選ばない場合、物件ごとに瑕疵担保責任保険に加入しなければ引き渡しできないようになっているのです。そして、この瑕疵担保責任保険があれば、施工会社が引き渡しから10年以内に廃業してしまった場合でも、「主要構造部の欠陥と雨もり」の保証を受ける事ができるわけです。

現在では、住宅の保証として、『主要構造部の欠陥と雨もり(瑕疵担保責任)』の10年保証をベースに、外壁材や床材、建具やクロスなどの各仕上げ材に1~2年の保証、その他の住宅設備に関しては設備のメーカー保証期間を合わせて『住宅の保証』としています。この辺りは、大手ハウスメーカーでも中小の施工会社でもほぼ同じと考えても構いません。

大手ハウスメーカーによる長期保証の注意点

それでは、ここ数年で急激に増えている大手ハウスメーカーによる住宅の長期保証の注意点についてもご紹介していきましょう。冒頭でご紹介したように、近年では上述の10年保証とは別に、『20年保証』や『30年保証』、さらには『60年保証』などを謳う住宅の超長期保証を見かけることが多くなっています。

当然、住宅を購入する側からすれば、「保証期間は長ければ長いほどありがたい!」と考えてしまう物でしょう。しかし、この20年や30年の保証に関して、建物のどの部分に保証がついているのかはご存知でしょうか?
こういった大手ハウスメーカーによる長期保証に関しては、どの保証を見ても「主要構造部と雨もり」となっています。基本的に、瑕疵担保責任の10年が経過した段階で、有償または無償の点検を受け、必要なメンテナンスがあれば指定の施工会社で『有償』によるメンテナンスを受けることで、保証が継続されるといった条件になっています。
これを見て、皆さんはどう思いますか?住宅の購入者にとって、本当に安心できる保証というよりも、施工会社側に有利なのでは…と思ってしまう方もいると思います。

長期保証は、ハウスメーカー側に利益が?

長期保証がついていると聞けば、「長い間安心だ!」と考えてしまう方が多いため、多くの顧客を囲い込むことが可能です。住宅の点検が必要になった場合、保証期間内であれば保証してくれている会社に連絡するのが当たり前ですよね。

つまり、住宅に20年や30年といった長期保証を付けた場合、ハウスメーカー側は、10年ごとに住宅の点検と必要なメンテナンス工事を自動的に受注できるという仕組みになるのです。ちなみに、保証期間内に、他の業者に何らかの工事を依頼した場合には、もともとついていた長期保証は打ち切られてしまいます。つまり、大手ハウスメーカーが住宅に非常に長い保証期間をつけるのは、将来にわたってその住宅のメンテナンスやリフォーム工事を自社で受注できる可能性が高くなるためなのです。要は、長期間顧客を抱え込んで置けるという非常に大きなメリットがあるわけです。

住宅は、住んでいるだけで徐々に劣化してしまいますので、定期的なメンテナンス工事が必要不可欠だということは住む側の方も理解しています。そのため「保証期間は長い方が良いのかな?」という心理が働くわけです。しかし、大手ハウスメーカーが売りにしている長期保証に加入した場合、メンテナンス工事やリフォーム工事を検討した時に、「保証があるから」という心理が働き、自由に施工会社を選別することが難しくなります。また、ハウスメーカーの指定業者で施工しなければならないわけですので、基本的に価格交渉などもできません。

ここまで見ればわかると思いますが、大手ハウスメーカーなどが行っている住宅の長期保証は、その内容を詳しく確認してみなければ、それが「顧客のため」なのか「施工会社側の顧客囲い込み」が目的なのかが分かりにくいのです。したがって、「長期保証」という言葉だけに惹かれるのではなく、保証の中身までしっかりと確認するようにしましょう。

まとめ

今回は、新築住宅を購入する場合に、誰もが気になる『保証』についてご紹介してきました。この記事でご紹介したように、ここ数年、大手ハウスメーカーなどが非常に長い保証期間を売りにするようになっており、「長い保証だから安心だ!」「大手だから何があっても大丈夫でしょ!」など、保証期間の長さだで安心してしまう方が多くなっています。しかし、実際の保証内容を確認してみると、購入者側が安心できるような保証というよりも、施工会社側が長期間顧客を囲い込みしようという魂胆が見え隠れするものが多くなっているのです。

特に、こういった住宅の保証に関しては『免責事項』なる物があるのですが、ほとんどの方がこれを確認せずに契約を組んでいます。免責事項とは、そこに記載されている事象が原因で住宅に問題が出た場合、保証が適応されないという意味です。そして、住宅の保証に関してはほとんどの場合『自然災害に起因する建物の損壊は保証対象外』になっているのです。つまり、住宅に被害が生じてしまう最も大きな原因である台風や地震に関しては、全て自己責任で対応しなければならないのです。

こう考えると、住宅購入時の『20年』や『30年』さらにはそれ以上の長期間の保証は、長さが重要なのではなく、「どういった事を保証してくれているのか?」が重要だとわかるでしょう。住宅の購入は、人生をかけたお買い物ですので、しっかりとその内容を確認するようにしましょう。