ペットと暮らす一戸建ての注意点!新築時に考えておきたいペットが暮らしやすい空間

近年では、犬や猫を単なるペットとして飼うのではなく、家族の一員として迎えるという方が多くなっています。猫などの小型動物であれば、昔から室内で飼育する方が多かったのですが、最近では、大人になるとかなりの大きさとなる大型犬でも家の中で一緒に生活しているというご家庭が多くなっています。実際に、ここ数年、大型犬を室内で飼っている方が、ペットとの暮らしの風景を動画に収め、動画サイトに投稿するといった事も多くなっています。

それでは、これから新築一戸建ての購入を検討している方で、室内で大型犬と一緒に生活することを想定しているという方は、何に注意しておけば良いのでしょうか?実は、人間にとって生活しやすい住宅というのが、ワンちゃんにとっても最適かというとそうではなく、何も考えずに家を建ててしまうと、大切な家族であるペットの健康を害してしまうようなこともあると言われているのです。

そこでこの記事では、家の中で大型犬などを飼育しようと考えている方に向け、ペットも生活しやすいようにするためにおさえておくべきポイントをご紹介します。

家の中には犬が暮らしにくいポイントがある!

それでは、人間が気付きにくい、家の中に存在するペットに取って暮らしにくいポイントをご紹介していきます。二足歩行の人間と四足歩行の犬では、同じ建物内でも、その見え方は全く違ってきてしまいます。一般的には、新築を建てる時には、家族が生活しやすいようにと考えて家に使用する建材や間取りを決めていくものです。しかし、この際に「犬が住みやすい家は?」という部分まで考えているという方が意外に少なく、出来上がってみると、家族であるはずのワンちゃんには住みづらい家になってしまっている…なんてことも少なくないのです。

ここでは、一般的に、ワンちゃんにとっては住みづらい…と考えられる家の条件をいくつかご紹介しておきます。

①フローリングで足腰が悪くなる…

近年では、ほとんどの住宅で、床材はフローリングが選択されます。木の質感が感じられることや、お手入れが非常に簡単だという点が大きなメリットになるのですが、実は犬にとっては歩きにくく健康を害してしまう危険がある素材だと知っているでしょうか?

犬などの動物は、地面に爪を食い込ませて歩く生き物で、室内で飼っている時にカチャカチャという音が聞こえてきますよね。これがフローリングになると、歩くときに爪が立たなくなるので、足が滑ってしまい、うまく歩けないという状況になってしまうのです。そして、足が滑ることをかばうようになり、歩くときの体制が崩れてきて、足の筋肉や股関節、腰に悪影響がでしまうようになると言われています。実際に、ワンちゃんを室内で飼育する方が増えている近年では、足腰を悪くしてしまうペットが多くなり、犬の寝たきりが増えていると言われています。

②階段は危険

室内で犬を飼ったことがある人であれば、「階段はペットにとって意外に危険だな…」と思ったのではないでしょうか?犬という動物は、もともと遠くを見る力は長けているのですが、近いものに焦点を合わせることが苦手だと言われています。

したがって、軽快に階段を上り下りできているようなワンちゃんでも、ふとした瞬間に足を踏み外して落下してしまう…なんてことが意外に多いのです。さらに、年を取ってくると、足腰や視力が弱ってしまいますので、階段で大きなけがをしてしまう…なんてことが増えてしまいます。

③庭やバルコニーも危険がいっぱい

庭がある家であれば、ガーデニングを楽しむ方も多いですよね。しかし、犬と一緒に暮らす場合、庭に植える植物に注意しなければいけません。実は、チューリップやスズラン、ユリ、ネギ科の植物というのは、人間にとっては単なる植物なのですが犬にとっては『毒』になってしまうのです。したがって、何も考えずに庭に植えてしまい、犬を遊ばせているとそれらを口にしてしまい大変なことになる…なんてことがあるのです。

また最近では、庭のスペースが取れないことから、陸屋根を採用し屋上でワンちゃんを遊ばせることができるようなスペースをとる方がいます。もちろん、犬がすり抜けられないような手すりをつけておくのですが、それをすり抜けて落下してしまう…という事故が増えていると言われています。

ペットと一緒に暮らすなら行っておきたい対策

それでは、家の中で犬と一緒に暮らすことを想定しているという方が頭に入れておきたい、ペットも安全に暮らせる対策をご紹介していきましょう。上述したように、人間にとって何の危険もないようなポイントが、実はペットにとっては重大事故を引き起こしてしまうような危険な場所になっているのです。

ここでは、新築時に考えておきたい対策をいくつかご紹介しておきます。

①犬が滑らない床を選ぶ

上述したように、一般的なフローリングは、普通に歩いているようで、実は足を滑らせています。したがって、犬が滑りにくい床にするため、フロアタイルやタイルカーペットを導入することを検討してみましょう。

「どうしてもフローリングが…」という場合、表面コーティングがされた合板のものではなく、爪が立ちやすい無垢材のものであれば、ワンちゃんも歩きやすいと思います。ただ、ワンちゃんも健康に長生きしてほしいと思うのであれば、クッションフロアなどがオススメです。特に近年では、犬の足腰になるべく負担をかけないように配慮した商品も販売されるようになっていますし、一緒に暮らすのであれば、そういった配慮はしてあげるべきではないでしょうか?
クッションフロアなどであれば、爪の音などもならなくなりますし、ジャンプの衝撃なども吸収して、家族間の騒音問題の心配も少なくなると思いますよ。

②犬の出入りを遮る門や柵を設ける

家の中で一緒に暮らすにしても、危険だから立ち入らせたくない…と考える場所があると思います。例えば、キッチンなどは、衛生的な問題もありますし、室内でペットを飼う方でも立ち入らせたくないと考える方が多いです。他には、犬は1階部分だけ自由にさせておき、階段は危険だから立ち入らせたくないなど、家の中で犬の行動範囲を限定する方も多いです。

こういった場合、家の間取りを考える時に、「犬も立ち入って良い場所」と「犬を入れない場所」を慎重に決定すると良いでしょう。そして、犬を立ち入れさせないと決めた場所には、愛犬が超えられない高さの柵をつくって侵入を防ぐと良いでしょう。なお、階段は別に使わせても良いという場合、階段にフロアマットなどを敷き滑りにくくしておくなどの工夫をしておきましょう。

③庭に植える植物は慎重に検討する

人間にとっては無害だけれど、犬や猫などのペットにとっては『毒』になってしまう食べ物は意外に多いです。したがって、庭でガーデニングを行うなんて場合、飼っている愛犬を危険に晒さないよう、慎重に植える植物を考えておきましょう。

家の中でペットを飼う場合、つい可愛さに負けて「人間用に作られた食べ物」をペットに与えてしまう…という方が多いです。しかし、良かれと思って行うこの行為が、ペットの健康を害してしまうこともあるので、注意してください。基本的に、人間のために作られている食べ物が犬や猫にとっては与えるべきでないものと考えた方が良いです。

ペットと暮らす家にあると便利な設備

それでは最後に、「一戸建てを購入したら大型犬を飼いたい!」などと考えている方に向け、ペットと暮らしたい方が新築住宅に備えておきたい設備についても簡単にご紹介しておきます。

①ペットの洗い場

大型犬を飼いたい、中型犬でも運動量が多い犬種を飼いたいと考えている方にお勧めなのが、散歩の帰りに使えるワンちゃんの洗い場です。
散歩に連れて行った場合、家の中に入れるには足を洗う必要がありますよね。この場合、小型犬であれば抱きかかえて洗面所まで連れて行って足を洗うなんてことができますが、中型犬以上になるとそういった対応がなかなか難しくなります。

特に、中型犬以上の犬種になると、それなりの運動量が必要になるので、河辺などで遊ばせるといった方が多いのですが、家に入れるには全身を洗わなければならないぐらい汚れてしまう子もいます。こういいた場合、家の外に簡易のペット用洗い場を設けておくと非常に便利ですよ。夏場であれば、外でシャンプーしたりできるのでとても助かるはずです。

②防臭対策は行っておいた方が良い!

ペットを飼う場合、どうしても犬や猫の匂いが染みついてしまうことになります。そこに住んでいる住人さんであれば特に気にならないのですが、来客があった時や最悪の場合、服に染みついて外で匂いを指摘される…なんてことも考えられるのです。ペットを室内で飼うのであれば、ある程度致し方ない問題でもあるのですが、可能な限り対策を行っておくのがオススメです。

特に最近では、臭いの元を吸着してくれるような壁材や消臭機能付きクロスなどが登場していますので、そういった建材を採用してみるのもオススメです。また、意外に見落とされがちなのですが、網戸に関してはペット用の強度の高い網戸を設置するのがオススメです。

③防音対策も検討する

大阪や東京などの都市部では、限られた敷地面積に家を建てるようになっていることから、隣家との距離が非常に近づいています。そのため、戸建て住宅に住んでいるのに、近隣住人の生活音に悩まされてしまう…というような状況になってしまう方が多くなっていると言われているのです。

生活音程度が騒音になるのであれば、大型犬の鳴き声になると、ほぼ確実にトラブルになってしまうと考えなければいけません。したがって、隣家との距離を考え、よく吠える犬種という場合は自宅からの音漏れ対策のため防音工事を行っておくべきでしょう。

まとめ

今回は、ペットと一緒に暮らす新築住宅について、家を建てる前に知っておきたい基礎知識をご紹介してきました。この記事でご紹介したように、人間にとって住みやすい家というのが、必ずしも犬や猫にとって暮らしやすい家というわけではありません。それどころか、ほとんどの住宅が採用するフローリングは、犬にとっては非常に歩きにくく、足腰への負担がとても大きな建材なのです。

「ペットは家族」と口では言うものの、実際に「ペットと一緒に暮らす」ということを考えた家づくりをしている方は少ないのが現状だと思います。まずは、人と犬は生活環境として求めるものが全く異なるということを理解して、「ペットにとって必要なものは何か?」「危険はないか?」という視点を持つようにしましょう!

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